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    《プロカメラマンに聞いた!》遺影写真にまつわる最近の傾向と生前撮影・加工のポイントを解説

    目次

    遺影とは故人の生きた証として飾る写真

    遺影とは、葬儀時には祭壇へ、葬儀後には仏壇などに飾られる故人の写真のことです。葬儀中はもちろん、葬儀後にもずっと飾られる写真のため遺影は「故人が生きた証」として残される写真だといえるでしょう。

    この世を去った後も、長く飾られる可能性が高いため、遺影写真の印象が在りし日の故人の印象となることも。だからこそ自分らしい納得のいく写真を残したいというニーズも高まっています。

    プロカメラマンに聞いた!遺影写真にまつわる最近の傾向は?

    今回、現役のプロカメラマンで、実際に遺影の生前撮影や写真加工も手がける株式会社バンガード 代表取締役 眞下 博人さん「遺影写真にまつわる最近の傾向と注意しておきたいポイント」について詳しくお聞きしました。

    遺影写真を生前に準備したいという方は増えていますか?

    遺影写真の生前撮影は今に始まったことではありませんが、近年では、手持ちの写真を遺影写真に加工してほしいという希望も増えてきています。

    終活というワードが広く認知されるようになり「自分のベストな写真を残しておきたい」との意向をお持ちの方がより増えつつあるものと思っています。またSNSの普及により、自分のプロフィール写真となるものを撮影したいといったニーズも少なからずあるようです。

    遺影写真を依頼される方の年齢層は?

    遺影写真の撮影や手持ち写真の加工を希望される方は60代、70代が中心で、中でも団塊の世代の方が多い印象です。

    若い人のようにご自分の写真を多く残されていない年代層だと思うので、改めて撮影を希望されるのではと思っています。

    初回に撮影したものを遺影として使用されている方が多いと思うのですが、「なかなかお迎えが来ない」と初回撮影から10年ほど後に、2回目の撮影をご希望される方もいらっしゃいます。

    みなさん「自分の人生を写真に残したい」と思われているのかなと感じています。

    遺影撮影時の注意点は?

    撮影までに気を付けるポイントはありますか?

    撮影日までに必ず用意していただくようなものはありません。身だしなみを整えていただくことをオススメはしますが、普段のようにヘアスタイルを整えたり、お気に入りの洋服をクリーニングに出したりなどで十分。エステに行くことや、高級な洋服を購入するなど特別な準備は必要はないと思います。

    遺影写真は「普段の自分を残す」ことがベストだと考えていますので、衣装やメイクでことさら自分を作り込む必要も無いのではと考えています。

    撮影時の衣装に決まりはありますか?

    衣装に関して「和装でないとダメですか?」などのご質問を受けることも多いのですが、僕は「衣装はお好きな物でOK」とお答えしています。実際に最近の遺影写真は、わざわざ和装着の写真を使われる方が減り、普段着姿のものが目立ってきているように思います。

    一方で、エンディングドレスなど「自分の葬儀ではこの衣装を着せてほしい」と、衣装を用意されている方もいます。衣装に希望がある場合は、ぜひその衣装を着用してください!

    また「普段着で撮影するけど、仕上がりの写真は和装(もしくは喪服)に加工してほしい」というリクエストを伺うこともあります。そのような写真加工のご相談にも対応させていただいています。

    おすすめの撮影のタイミングはありますか?

    僕は、遺影写真は「その人らしい笑顔の写真」が良いのでは?と考えています。遺影写真を通じてその人の笑顔に接することができれば、残された家族の哀しみも少し和らぐのではないかと思うからです。

    しかし、その日にあったカメラマンに、最高の笑顔を見せられる方はごく一部の方でしょう。撮影時にリラックスできるようなコミュニケーションを心掛けるようにしていますが、実際に嬉しさを感じている瞬間の笑顔には敵いません。

    そのため「嬉しい、幸せだ」と感じている瞬間に撮影することが理想だと思います。

    喜びの感じ方は人それぞれですが、例えば「孫の入学や卒業のタイミング」「結婚式」のときなどは自然に笑顔が生まれるシーンだと思います。

    とびきりの笑顔のを残すため、そんなハレのシーンで撮影した写真を遺影にすることも、ぜひ検討いただければと思いますね。

    データを用意しておくほうが良いケースも

    祭壇用の遺影写真は、葬儀後に「どこに飾って良いか分からない、処分もできない」と悩まれる方も少なくありません。そのため「遺影写真は映像で上映する」というサービスを展開している葬儀場もあります。

    映像で上映する場合は、写真ではなくデータが必要。生前に遺影を残す時は、使用後の用途で家族が困らないよう、データだけを残しておくことも1つの方法だといえます。

    生前撮影時の流れの一例

    撮影当日の流れを教えて下さい

    撮影当日は、まずはインタビューから開始します。インタビューといっても堅苦しいものではなく、その人らしさや笑顔をより引き出すための「カメラマンとざっくばらんに会話する時間」です。

    カメラマンに慣れてもらうことはもちろん、「見慣れないスタジオの雰囲気にも慣れてほしい」という思いもありますね。

    この時間で「今までの人生観」や趣味、好きなこと、お仕事の思い出話時などを中心にお伺いします。はじめは緊張されていても、徐々に笑顔が見られることが多く、中にはお仕事の話で会話が盛り上がることもたびたびです。

    インタビューが済んだら、実際の撮影開始です。撮影が終了するまでの時間は、おおよそ一時間を目安にしていただいており、撮影後は一緒にデータを確認し、気に入ってもらえる写真をセレクトしていきます。

    また弊社では納品時の額縁の色も数種類用意しているため、ご希望がある場合はリクエストを伺います。男性だと黒が多いですが、女性では薄い紫や淡いピンクなどを選ばれる方も多いですね。納品までは2〜3日を目安に時間を頂いています。

    手持ちの写真から遺影を作成・加工する際のポイント

    手持ち写真から遺影を選ぶときの注意点はありますか?

    遺影写真を撮影すること以上に多いのが「手持ち写真を遺影にアレンジしてほしい」というリクエストです。お持ち頂いた写真をよりキレイな遺影写真にするためのポイントがあるので、4つご紹介します。

    1)ピントが合っている写真

    まずピントが合っている写真を選んで頂きたいということ。肌の色や光の加減などは多少なりとも修正できますが、ピントは修正できないためご注意下さい。

    2)本人の顔が大きく写っている写真

    L判写真を4つ切り写真に加工する場合は、大きく引き延ばすことになります。ご本人の顔が小さいと、引き延ばした際にぼやける可能性があります。

    仕上がりがぼやけないよう、できるだけ顔が大きく写っている写真をセレクトして頂くことをおすすめしています。

    3)バランス良く光が当たっている写真

    屋外での写真などで光が直接当たっているものだと、引き延ばしたときに肌の色が分からなくなる可能性があります。

    かといって屋内の写真が良いかと言われると、そうでもありません。蛍光灯などの下で写っている写真は、目の下や鼻の下に影ができ、老けた印象になってしまいがちのため、注意が必要です。

    光や影もある程度は修正できますが、バランス良く光が当たっている写真が望ましいです。

    4)光沢のある写真

    ピントが合っている、身なりが整っているなどの理由で、結婚式の集合写真を持参される方も少なくありません。

    しかし、結婚式の集合写真は絹目と呼ばれる写真自体に凹凸がある仕上がりのため、写真を引き伸ばしたときにこの凹凸が黒点になります。

    できるなら光沢のあるツルッとした写真を選んで頂きたいと思います。

    とはいえ、写真館などで撮影した写真はデジカメ等やスマートフォンで撮影したものよりも断然に仕上がりがきれいです。絹目の写真であっても「コレしかない!」という場合などは、ぜひご持参ください。

    写真を持参するときに気をつけるポイントはありますか?

    選ばれた写真をご持参いただくときにも注意していただきたいポイントがあります。オススメの持参方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

    データがあるならデータを持参して

    L判の写真をご持参頂くことが多いのですが、デジカメなどにも保存されているのなら、データをご持参頂くこともお願いしています。

    L判だとその写真をスキャンしてデータ化してからの加工になります。この場合は、どうしても画像が粗くなりがち。しかし、データであればそのまま加工作業に入れるので、よりキレイな写真に仕上げることが可能です。

    複数持参もOK

    写真選びに迷われているときは、候補写真をいくつかご持参頂けると良いと思います。

    場合によっては、加工で複数枚の写真の良い部分を合成できるケースもあります。自分で選びきれないときは、第三者の目が入ることで写真を選べることもありますよ。

    生前に遺影写真の準備をすすめ自分らしい遺影写真を

    遺影は、自分の生きた証を表現する写真。仕上がった写真は、葬儀中はもちろん、葬儀後も自宅や仏壇に飾られ、家族にとっては故人と顔を合わすツールになります。

    最後に改めてカメラマンの眞下さんに遺影写真の準備に関するポイントを聞きました。

    「遺影は、ご自身の生きた証であり、残された家族が故人と会えるツールです。僕は、葬儀という悲しいタイミングだからこそ、笑顔の写真が良いのでは思っています。

    そのためには『楽しい・幸せだ』と感じたときの写真、自然と良い表情になるときの写真を遺影とすることがベスト。ぜひお孫さんの入学・卒業・結婚などのタイミングで遺影用の写真撮影をご検討いただければと思います。きっと素敵な写真として残せるはずです。

    僕はカメラマンなので『自分が撮影したい』と思いますが、手持ちの写真をアレンジすることでも十分素敵な遺影写真が残せます。写真を選ぶときは、ご紹介したポイントも含めて写真選びを進めてみて下さい。悩まれる場合は、候補と思っている写真を複数ご持参いただくと良いと思います。

    ご紹介したポイント全てをクリアしていなくても、ご自身が気に入った写真がベストだと思いますね。」

    《取材協力》

    studio VANGUARD 代表取締役 眞下 博人さん

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