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献花台が置かれる時とは?献花をする時のマナーや注意点についても解説
献花台とは献花のための場所
献花台とは献花をするための場所のことです。
長いテーブルに白い布をかけて献花台として設置するのが一般的です。
仏式の葬儀ではあまり馴染みのない献花台ですが、最近は日本でも献花台を目にする機会が増えています。
キリスト教の葬儀やお別れの会の他、事故や事件の起きた現場や有名人の葬儀などにも献花台を置く場合があります。
この記事では、献花台を設置する場面と献花をする際のマナーや注意点などについて解説していきます。
献花台が設置される場面とは
日本では死者の供養というと、お線香を上げるのが一般的ですが、日本以外では花を手向ける献花は広く行われています。
最近は日本でも献花の習慣が徐々に根付きつつあります。
ここでは、献花台をどのような場面で設置するのか解説していきます。
キリスト教の葬儀
キリスト教の葬儀では、祭壇の前に献花台を設置するのが一般的です。
葬儀の参列者が一人一輪ずつ献花台に花を手向ける献花式を行いますが、これは仏式の葬儀の焼香と同じ目的があります。
お別れの会
お別れの会は、最近増えている葬儀スタイルの一つで、偲ぶ会と呼ばれることもあります。
お別れの会とは、家族や親族だけで葬儀を執り行った後に、改めてお世話になった人たちを招いて故人を偲ぶための集まりで、ホテルやレストランなどで行うこともあります。
ホテルやレストランでは、安全上の問題でお線香が使用できない所も多いので、焼香はせず献花式を行うのが一般的です。
お別れの会では祭壇を設け、その前に献花台を置きます。
事故や事件の現場
事故や事件があった現場にも、献花台を置くことがあります。
その場合は葬儀やお別れの会のように関係者だけが献花式を行う場合とは違い、不特定多数の人が献花に訪れる可能性があります。
特に犠牲者が多かったり、ニュースになったりするような事故や事件現場には、関係者以外にも多くの人がお参りに訪れるため、自治体が献花台を設置する場合があります。
有名人の葬儀会場の特設スペースやその人に所縁のある場所など
芸能人や政治家のような有名人が亡くなった際は、一般の弔問者向けに献花台を設置することがあります。
葬儀会場に特設の献花台が設置されるの場合は、ファンや支持者のような一般の参列者も順番に献花を捧げることができます。
また、有名人が亡くなった後に、所縁(ゆかり)の深い土地に献花台を設置することもあります。
俳優の田中邦衛さんが亡くなった際、ドラマ「北の国から」のロケ地だった富良野市の観光協会は、ドラマのロケ施設に献花台を設置しました。
ドラマの関係者をはじめファン数十人も献花に訪れたということです。
献花台に献花をする時のマナー
繰り返しになりますが、日本では献花は焼香の代わりという役割もあるので、焼香と同様にマナーを守って行うことが大切です。
献花に使用する花の種類
献花に使う花は、葬儀やお別れの会の場合は、葬儀社や主催者が用意します。
キリスト教の葬儀で使用する献花としては、白いカーネーションがもっともポピュラーです。
献花は両手で持ち1列に並べていくので、茎が丈夫で持ちやすく、まっすぐであることが条件になるので、カーネーションや菊が好まれます。
また、お別れの会ではバラやユリなどのほか、故人が好きだった花を用意することもあり、一般的な葬儀に比べると自由度は高めです。
花の色も白に限らず、カラフルな花が選ばれることもあります。
有名人の葬儀も一般の弔問客を受け入れる場合は、会場で菊の花などが用意されることがあります。石原裕次郎さんの葬儀では一般の弔問客にも献花の白菊が渡されたそうです。
一方、事件事故の現場の献花台を訪れる場合は、献花のための花は持参するのが原則です。
花一輪をラッピングして持参する場合もあれば、白をベースに淡い色の花を組み合わせたブーケや小ぶりのアレンジメントなどを持参する場合もあります。
葬儀やお別れの会で献花をする時の流れ
葬儀やお別れの会では、式典の途中で献花を行う場合と、流れ献花といって会場に到着した順に献花をする場合とがあります。
式の途中に献花式が位置づけられている場合は、まず会場に到着したら案内にしたがって着席します。
献花の順番は、喪主または葬儀委員長から血縁の濃い親族から始め、指名献花、一般の参列者と続くのが一般的です。
案内に従って、自分の順番が来たら献花台に進みましょう。
献花は次の手順で行います。
- 献花台に進む
- 係の人から花を両手で受け取る
- 花が横向きになるように、右手は花の下に、左手は茎の上に添え、胸くらいの高さで持つ
- 遺族に一礼し、祭壇へ進む
- 祭壇の前で遺影に一礼する
- 花を回転させ、花が自分寄りに、根元が祭壇側になるよう整えて、献花台に供える
- 黙とうをし、遺影に再度一礼する
- 遺族や僧侶に一礼する
- 案内にしたがって、自席または会食の会場などへ移動する
献花をする時の服装
葬儀で献花をする場合は、喪服で参列するのがマナーです。
お別れの会では、男性はダークスーツ、女性はダークカラーのワンピースやセットアップなどが良いでしょう。
案内状にドレスコードが指定されている場合は、それに従いましょう。
また、事件や事故の現場、有名人の葬儀に献花に訪れる場合は、必ずしも礼服である必要はありません。
とはいえ、カジュアルな服装や派手な服装、露出の多い服装で献花をするのはマナー違反です。
死者を弔うのに相応しい控えめな服装を心がけましょう。
献花台に献花する際の注意点
葬儀やお別れの会、有名人の葬儀などは、基本的には葬儀社や会場のスタッフなど、案内する人がいるので指示に従って献花をすれば問題ありません。
一方、事故や事件現場に献花台が設置される場合は、常に案内人がいるわけではないので、献花をする人自身で注意するべきこともあります。
献花台に持参した花を置き、手を合わせ故人の冥福を祈るのは、その他の献花式と同じです。
一般的な葬儀との一番の違いは、たとえ献花台が設置されていたとしても、そこは献花専用のスペースとは限らないということです。
献花台が花でいっぱいになり献花台の周囲に花が置かれている場合がありますが、献花が通路を塞いだり、花が倒れ風に飛ばされたりして、近隣住民の迷惑になることもあります。
また、食品のお供えは、匂いが発生したりカラスなどの餌になったりすることもあるので、持ち帰ることをおすすめします。
こうした現場には、1か月程の期間限定で献花台を設置することが多いので、その期間は献花をする人が押し寄せて混乱になりやすいことも問題です。
過去には、献花に訪れる人の車で近隣の駐車場が埋まってしまうトラブルが発生し、公共交通機関を利用するように案内が出された事例もありました。
良かれと思って行った献花が、トラブルの原因になるような事態は避けたいもの。
遠くから手を合わせることも供養のひとつですし、花やお供え物を持ち帰ったとしても弔意の気持ちは残ります。
大切なのは、状況に応じて献花の方法を判断することと言えるでしょう。
まとめ
献花台はキリスト教の葬儀以外でも設置されることがあり、その場に応じた設置の仕方や献花のマナーがあります。
基本のマナーを身に着けることは大切ですが、マナー以上に大切なのは心を込めて行うことです。
献花そのものが目的にならないよう、献花台が設けられる理由に応じて状況にあわせて献花をすることが、故人の供養に繋がるのではないでしょうか。