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ご遺髪とは?形見の変わり?読み方・意味・入手や保存・処分方法・英語表記や歴史も紹介

目次

ご遺髪とは故人の形見として残された髪

ご遺髪は「ごいはつ」と読み、故人の形見として残された髪を指します。

ご遺髪を形見とする行為は、日本のみならず海外でも古くから行われていました。

体の一部である「ご遺髪」を手元に置きたいという気持ちは、国や宗教を問わず人の自然な思いといえるでしょう。

ご遺髪を手元に置く理由

「ご遺髪」を手元に置きたい思いは、人として自然な願いであり行為です。さらに昨今では様々な理由から「ご遺髪」を手元に置かれる方もいるようです。

理由の一例

・無宗教のため仏壇や位牌がない
・散骨を行ったがご遺髪は手元に残した
・ご遺体を献体(※)に提供後、遺骨の代わりに供養するため

献体を行うと、遺骨が遺族に返還されるまで2~3年かかる場合があり、「ご遺髪」はその期間の心の拠り所となります。

理由は様々ですが遺族や残された人にとって、生前の面影を残す「ご遺髪」は大切な遺品の一つです。

※献体とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。

引用元:公益財団法人 日本篤志献体協会

ご遺髪は法律上問題ないのか

ご遺髪の保持や保存、処分方法にかかわる法律はありません。

同じ遺品でも「遺骨」は、「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」によって定められています。

しかし「ご遺髪」にかかわる法律はなく、保持や保存は個人の自由となっています。

ご遺髪を手元に残すには

ご遺髪を手元に残す場合、いつ、どのようなタイミングで言い出せばいいのでしょうか。

ご家族が亡くなると、葬儀の準備や参列者への連絡、役所の手続きなど多忙となります。そのような中「ご遺髪」について相談するのは難しいのが現実です。

ご遺髪を残す、残さないについては前もって親族や近親者と相談しておくとよいでしょう。

医療関係者やスタッフ、葬儀社に相談する

病院または自宅で死亡が確認された後、最初に行われるのがご遺体を清める行為です。これを「清拭」と呼びます。

清拭はアルコール、またはアルコールを入れたお湯を用意し、ガーゼを浸してご遺体全体を拭いていきます。病院で亡くなった場合は看護士やスタッフが、自宅で亡くなった場合は葬儀社が行います。

ご遺体が清められた後納棺と進みますが、このタイミングで「ご遺髪」を切るのが一般的のようです。

医療機関や葬儀社によっては、事前に「ご遺髪」について尋ねる場合もありますが、基本的には遺族の希望がなければそのまま納棺を行います。

ご遺髪は遺骨と異なり、火葬後は燃え尽きてしまい形が残りません。「ご遺髪」を希望する場合は事前に伝えましょう。

爪(ご遺爪)を手元に残す残さない

ご遺髪を切るタイミングで、爪(ご遺爪)についても尋ねられる場合があります。また献体の場合、大学によっては遺族が希望をするとご遺髪とご遺爪を渡してもらえます。

火葬後はご遺髪同様燃え尽きてしまうため、後悔しないためにも事前に手元に残す、残さないかを決めておきましょう。

ご遺髪の保存の注意点と保存スタイル

ご遺髪を長く保存するための注意点と、保存スタイルについてそれぞれ解説します。

紫外線と湿度に注意する

ご遺髪の大敵は紫外線湿度です。

ご遺髪に紫外線を当ててしまうと、髪の色があせたり、切れやすくなってしまいます。またよく乾燥を行わず少し水分があるまま保管すると、雑菌が繁殖したりカビが発生し髪の毛そのものを失ってしまう恐れがあります。

ご遺髪を保存する際は、

・髪の毛をよく乾燥させる
・和紙やティッシュなどに包む
・乾燥剤や除湿剤を利用する

故人の面影を保つためにも保存には注意が必要です。

保存に適した素材として、箪笥などに使用されるがあげられます。

桐には調湿性があり、防腐成分のタンニンや、虫が嫌うパウロニンなどの成分も多く含む木材です。

昔から茶器の箱や重要な書類を保存するため、桐箱は使用されてきました。

ご遺髪用のケースも桐製の箱は種類が多く、「遺髪ケース」や「メモリアルケース」としてインターネットで購入可能です。

ペンダントに収納、ダイヤモンドに加工する

ご遺髪を常に携帯したい、身近に感じていたいと希望する方は、ペンダント型が最も手軽な方法です。

ペンダントタイプは種類やデザインが豊富なため、男女問わず身に付けられます。また値段も手頃なものが多く、一見すると「ご遺髪」用には見えない、デザイン性の高いものも販売されています。

 「メモリアルペンダント」として、インターネットでも購入可能です。

またご遺髪をダイヤモンドに加工する「メモリアルダイヤモンド」、「ヘアー・ダイヤモンド」は、スイスやアメリカの企業が行っているサービスです。

企業のHPを確認すると、ダイヤモンドに加工するためには髪の毛が8g以上必要など様々な条件があるようです。

しかし企業によっては、「ご遺髪」+「ご遺骨やご遺灰」+「遺族の方の髪の毛」なども組み合わせが可能とあり、ご遺髪が少ない場合でも作成可能となっています。

ダイヤモンドの加工料金は40万円以上と高額、また依頼から引き渡しまでの期間は平均で6か月といわれています。

ここでのポイントは

・桐箱が保存に適している
・ペンダントタイプが入手しやすく、デザイン性が高く、値段も手頃
・ダイヤモンドの加工には、必要な量の確保、加工料金、引き渡しまでの期間など確認が必要

ご遺髪の処分方法

ご遺髪の取り扱いで困るのが処分方法ではないでしょうか。

ご遺髪の処分について法律の規制はなく、一般ゴミとして処分をしても問題はありません。

お住まいの地域や自治体の規則に沿って処分しましょう。

処分に躊躇をしてしまう方は、お寺や神社で「お炊き上げ」をする、またはご自分が亡くなった後、一緒に火葬すると希望を伝えておく方法もあります。

・一般ゴミとして処分
・お寺や神社で「お炊き上げ」
・一緒に火葬する

生前整理や終活の機会に、「ご遺髪」とのお別れも検討しておきましょう。

ご遺髪を手元に置いて良かったこと・後悔したこと

ご遺髪を手元に置いて良かったこと、後悔したことの一例を紹介します。

ご遺髪を手元の置いて良かったこと

・故人を身近に感じられる
・お墓参りができなくても安心できる
・宗教や宗派に関係なく、無宗教でも手元における

自分らしい形で手元に置けるため、良かったと感じる方が多いようです。

ご遺髪を手元に置いて後悔したこと

・紛失してしまった
・処分に困った
・供養ができていないと罪悪感を感じる

ご遺髪の取り扱いについて後悔する前に、保存方法や処分を早い段階で決断することが大切です。

期間が長引くと、精神的にも悪影響を及ぼしかねないため、ご遺髪のお別れは適宜検討しましょう。

日本のご遺髪の歴史

日本のご遺髪の歴史について、代表的なものを紹介します。

源頼朝のご遺髪

愛知県岡崎市、滝山寺所蔵の「聖観音菩薩立像」は鎌倉時代の仏師、運慶 湛慶作といわれています。国指定重要文化財です。

X線透視撮影の結果、頭部内に小さな納入品が針金で吊るされているのが判明しています。

『瀧山寺縁起』には、源頼朝の三回忌供養にあたり、頼朝等身大の聖観音を造って像内に遺髪を納めたと記されています。

足利尊氏・義詮のご遺髪

滋賀県大津市の園城寺、通称「三井寺」が所蔵する「木造地蔵菩薩坐像」があります。

エックス線撮影の結果、頭部の中に納入品を包んだとみられる紙が見つかったと発表されました。

「園城寺文書」には、尊氏が亡くなったときの先例に従って、義詮の髪を入れて寺に納めたと記されています。

仏像の制作時期が1350~70年頃とみられることから、義詮か、1358年に亡くなった尊氏の遺髪を納めた像と推測できるとしています。

ご遺髪の英語表記

英語で「ご遺髪」は、

hair of the deceased

と表記します。

まとめ:ご遺髪は残された人の大切な形見

ご遺髪は遺族や残された人の大切な形見の一つです。

長く手元に置くには、保存方法が重要です。また保存スタイルも多様なので、あなたのライフスタイルに合せて選択しましょう。

ご遺髪にかかわる法律はなく、処分についても同様です。そのためご自身が納得できるよう「ご遺髪」とのお別れを検討しておくといいでしょう。

ご遺髪は形式にとらわれず自由な形で手元に置けるため、今後希望する方が増えていくと推察されます。

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