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火山岩とは?種類・深成岩との違い・特徴・用途・よくある質問をご紹介

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目次

火山岩とは火成岩の一種

火山岩は火成岩の一種です。マグマが地表で冷え固まってできたとされており、噴出岩とも言われます。

この記事では、そんな火山岩について、種類、違い、特徴、用途、よくある質問を取り上げます。

マグマが地表で冷え固まった

火山岩は、火口付近の地表で、マグマが急激に冷え固まってできた火成岩です

火山岩と火成岩は、言葉の響きが似ているので、間違えやすいものです。同じカテゴリーであることを覚えておきましょう。

火山岩は火成岩の一種です。つまり、火山岩は広い意味では火成岩です。

噴出岩ともいう

火山岩は、火山から噴出されてできたことから、噴出岩(ふんしゅつがん)とも言われます。

しかし、どちらかというと、火山岩の方がよく使われます。学校の授業でも「火山岩」を使っています。

火山岩の種類

火山岩には以下の種類があります。

  • 玄武岩
  • 安山岩
  • 流紋岩

それぞれの特徴を紹介します。

玄武岩

出典:岐阜聖徳学園大学教育学部

火山岩の一種である玄武岩の特徴は以下です。

  • アルカリ長石や石英を含まない
  • かんらん石を含み安山岩より暗色
  • 流紋岩や安山岩よりも密度が高いので重さがある
  • 石基に磁鉄鉱の微粒子が多数含まれているので、磁石が吸い寄せられる
  • 河原に多く見られることがある
  • 石垣や庭石に使われることが多い
  • 明治17年、玄武洞(げんぶどう)にちなんで玄武岩と名付けられた

火山岩の一種である玄武岩は、アルカリ長石や石英を含みません。しかし、かんらん石を含んでいます。

そのため、暗色で石基に磁鉄鉱の微粒子が多数含まれているものもあり、磁石が吸い寄せられます。

安山岩

出典:岐阜聖徳学園大学教育学部

以下は安山岩(あんざんがん)の主な特徴です。

  • さまざまな外見の物がある
  • 暗灰色できめ細かい
  • 白い斜長石、黒や黒緑色の輝石類などの粒が点々と入った斑状組織
  • 暗色の石基
  • 縄文時代には矢じりなどに使われたと言われる
  • マグマの水分が噴出して発泡して抜けた孔が多くある
  • 高温の火山灰や火山れきが堆積して熱を出し、凝結した凝結岩もある

安山岩は、孔が多くある物、火山灰や火山れきでできた角ばった感じの物など、さまざまな外見の岩があります。

また、黒や白が点々とした斑状組織の物も存在します。縄文時代には、矢じりとして使用されたと言われています。

流紋岩

出典:岐阜聖徳学園大学教育学部

流紋岩(りゅうもんがん)の特徴は以下です。

  • しまもようの物もある
  • 花崗岩と同じでケイ酸を含む粘りのあるマグマでできた
  • キメが細かく、固く、水が浸み込みにくい
  • 丘陵地を構成する場合が多い
  • 二酸化ケイ素の鉱物が多い
  • 玄武岩や安山岩は輝石類やかんらん石を含むが、流紋岩はこれらを含まない事が多い
  • 玄武岩に比べてやや密度が低い

流紋岩はマグマが流れて固まったため、しまもようになることがあります。また、流紋岩は粘りのあるマグマでできています。

全般的にキメが細かい、固い、水がしみ込みにくいという特徴があります。

深成岩との違い

出典:Yahoo

同じ火成岩の一種になる深成岩との違いも考えてみます。深成岩は主に3種類の岩石があります。

  • 花崗岩
  • せん緑岩
  • はんれい岩

火山岩は、地表付近で急激に冷え固まりました。それに対して深成岩は地下の深いところで長い年月をかけてゆっくり冷え固まったとされています。

ここでは、そんな火山岩と深成岩を比較してみます。粒の大きさ、組織、含まれる鉱物の違いを紹介していきます。

粒の大きさ

火山岩と深成岩における粒の大きさの違いを紹介します。

  • 火山岩:粒が細かい
  • 深成岩:粒が粗い

このように火山岩と深成岩は、粒の大きさが正反対です。その理由は鉱物粒子の性質です。

鉱物粒子は冷え方が急激であればあるほど細かくなり、逆にゆっくり冷えるほどに粗くなります。

両方とも、同じマグマからできた岩石ですが、冷却の速さによってこれだけの違いがあります

斑状組織と等粒状組織

組織の違いも見られます。火山岩は斑状組織(はんじょうそしき)ですが、深成岩は等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)です。その違いについて説明します。

・斑状組織(はんじょうそしき)

出典:家庭教師のトライ

斑状組織は斑晶と石基でできています。それぞれの特徴が以下です。

  • 斑晶→マグマがゆっくり冷えて大きな鉱物の結晶になった部分
  • 石基→マグマがいきなり冷えて結晶にならなかった部分

・等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)

出典:家庭教師のトライ

等粒状組織は、斑状組織と異なり石基がありません。等しい大きさの鉱物が結晶になって詰まっています。そして、それぞれの結晶は比較的大きいサイズです。

含まれる鉱物

どちらも火成岩なので、含まれる鉱物は同じです。しかし、その割合は異なります。

色の有無鉱物名特徴
無色鉱物石英(せきえい)無色透明、不規則に割れやすい
長石(ちょうせき)白、規則的に割れる
有色鉱物黒雲母(くろうんも)黒、うすくて割れやすい
カクセン石濃い緑や黒
キ石緑や褐色
カンラン石黄緑や褐色

火山岩の特徴

火山岩の特徴は斑状組織です。そして、粗い鉱物粒子が散らばっているという特徴もあります。この2点について説明します。

斑状組織

斑状組織は鉱物粒子が平均1mm以下で、石基と斑晶が散らばっています。マグマが地表近くで急激に冷えたため、鉱物粒子が細かくなったと考えられます。

石基は半晶質と呼ばれることもあります。天然のガラスのみだったり、内側に肉眼では見えない細かい粒の結晶が見られたりする場合です。

火山岩の多くがこの性質だと考えられます。また、中心部にいけばいくほど半晶質から完晶質に変化していきます。

粗い鉱物粒子が散らばっている

出典:倉敷市

火山岩には、比較的粗い結晶の鉱物粒子があります。

左は安山岩です。細かい粒子の石基に粗い結晶構造の斑晶が散らばっている様子が見られます。こうした現象は安山岩に限らず、火山岩全般によく見られる現象です。

また、右は深成岩の花崗岩ですが、こちらも粗い鉱物粒子が見えます。

火山岩の用途

ここでは、火山岩の用途についてお伝えします。岩石で発電させる岩石蓄電は、火山岩が用いられることがあります。

また、安山岩はお墓によく利用されます。

岩石蓄電

岩石蓄電は、その名の通り岩石の特性を生かした発電です。その仕組みを説明します。

まずは、電気が余った時に熱風ヒーターを稼働させます。そして、岩石を600℃~700℃に熱し、外部と遮断させて保温しておきます。

仮に電気が足りなくなった時、上記の岩石蓄電の熱を利用します。その熱で高圧蒸気を作り、蒸気タービンを回します。そこから電気を取り出し、足りないところに利用可能です。

安山岩はお墓に使用

出典:岐阜聖徳学園大学教育学部

安山岩はお墓に利用されます。

墓石に利用される岩石というと、花崗岩が有名ですが、安山岩もよく利用されます。その頻度は花崗岩に次ぐと言われています。

安山岩を墓石に使用する場合、生成過程で急冷します。それにより、粒が小さい物も混ざるようになり、斑点模様を作り出します。

全体的にグレーがかった斑点模様のある墓石になります。ただし、石によって斑点や全体的な色が多少異なります。

安山岩の中でもよく墓石に使われるのは、小松石や伊達冠石です。

火山岩のよくある質問

溶岩と火成岩、火山岩、深成岩の違いを教えてください。

火成岩の種類として火山岩や深成岩があります。また、溶岩は火山岩に含まれます。

火山岩:マグマが地表やその周辺で急激に冷えて固まったためにできた岩石

深成岩:マグマが地下の深い場所でゆっくり冷えて固まってできた岩石

火山岩(火山噴出物)を構成するものは?

主にカンラン石、輝石、カクセン石、斜長石ですが、種類によって多少異なります。

火山岩と深成岩の共通点は?

どちらも火成岩であること、マグマが元になってできたことです。

火山岩と深成岩の組織の違いは?

火山岩は斑状組織、深成岩は等粒状組織という違いがあります。

斑状組織:石基と斑晶による組織(小さな結晶、結晶ではない部分、大きな結晶でできている)

等粒状組織:斑状組織より大きな粒でできている

まとめ:火山岩は自然の恵み

火山岩は火成岩の一種で、マグマが急激に冷えて固まったできた岩石です。

同じ火成岩である深成岩とは、固まった状態が異なります。深成岩はマグマがゆっくり固まってできた岩石です。また、斑状組織と等粒状組織という点でも違いが認められます。

そんな火山岩は、岩石蓄電やお墓に利用されることがあります。

このように、長い年月をかけて作られた岩石が私達の生活に役立っています。自然の恵みに感謝したいものです。

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