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春の彼岸の意味は?行事食は「ぼたもち」?春の彼岸に咲く花も紹介

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目次

春の彼岸とは3月に訪れる彼岸の期間のこと

春の彼岸ひがんとは、毎年3月に訪れる彼岸の期間のことです。

なお、彼岸は年2回(春と秋)訪れます。春の彼岸は春分の日を中日として前後3日間の合計7日間

2023年の春分の日は3月21日(火・祝)。従って、3月18日の土曜日が彼岸の入り、3月24日の金曜日が彼岸明けとなります。

彼岸は日本独自の文化って本当?

春の彼岸だけでなく、彼岸は秋にも訪れます。この彼岸の期間には仏壇・仏具の掃除をし、お墓参りをすることが慣習となっています。

これは、仏教が広まる前からあったとされる日本独自の先祖崇拝の文化、つまり、お彼岸にはご先祖様がこの世に戻ってきてくださるという考え方が背景にあります。

お彼岸はあくまでも日本独自の文化であり、仏教のルーツであるインドや中国から伝わってきたものではありません。

春の彼岸に咲く花:マーガレット・キンセンカ・牡丹

春の彼岸である3月を代表する花として、マーガレット・キンセンカ・牡丹ぼたんなどがあげられます。

  • 色味が豊富な「マーガレット」

春の花の代表格と言われるマーガレット。白やピンク、黄色オレンジの花を咲かせます。大きな花ではありませんが、色味が豊富なぶん、飾るだけで華やかな印象になることでしょう。

  • 別れの悲しみが花言葉「キンセンカ」

マーガレット同様、黄色やオレンジ、クリーム色という華やかな色味のキンセンカ。キンセンカには、寂しい気持ちにさせてしまう「別れの悲しみ」という花言葉もあります。しかし、故人を静かに偲びたいというときの花と言えるのではないでしょうか。

  • ぼたもちの由来にもなっている「牡丹」

春の彼岸に供える行事食として知られる「ぼたもち」。この由来となった牡丹も春の花です。花びらが多く、大きさもあるので華やかにお供えを飾ります。

春の彼岸の行事食:ぼたもち

春の彼岸を代表する行事食は、もち米とうるち米をこしあんで包んだぼたもち。一方、秋の彼岸は粒あんで包んだおはぎです。

どちらも、季節の花に見立ててその呼び名が付いたと言われています。

ぼたもちを供える理由は諸説あり

春の彼岸にぼたもちを供えることには、

  • 五穀豊穣ごごくほうじょうを願い、ご先祖様への感謝を示す

昔は砂糖は贅沢品・貴重品、そして、もち米や小豆はお祝い事や特別な行事に欠かせないものですが、当時は高価だったため庶民の台所にいつでもあるというものではありませんでした。このため、五穀豊穣を願い、さらに、ご先祖様への感謝の気持ちを伝えるためにも、こうした貴重な材料からなるぼたもちをお供えするようになったと言われています。

  • あずきが邪気を祓ってくれる

あんこの材料となる小豆の色は赤。その赤という色には魔除けの効果があると言われ、「邪気を祓う食べ物」としてぼたもちをお供えするようになった。

など、複数の説があります。

夏:「夜船」冬:「北窓」と呼ばれるって本当?

春はぼたもち、秋はおはぎと呼んでいますが、実は、夏と冬にも別の呼び名があります。

夏の呼び名は「夜船よふね」、冬は「北窓きたまど」です。現代ではほとんど使われていませんが、両者はひらめきが織り込まれた言葉遊びからついた呼び名だと言われています。

ぼたもちもおはぎもその中身は、もち米とうるち米を混ぜて炊き、すりこぎで半つきにしたもの。お餅のよう音を出してつかないため、隣に住む人にしてみれば、音が聞こえず、いつ作ったのかが分からない、つまり「つき知らず」と呼ばれていました。

その「つく」と「着く」とを言葉遊びし、夜間に航行する船はいつ着いたか知らないということとかけ夏のものを「夜船」、また、同様に「月」と言葉遊びし、月が見えないのは北側の窓だとして冬のものを「北窓」と呼ぶようになったというものです。

少々強引に結びつけているとの感も否めませんが、四季に合わせたお洒落で日本人独特のセンスとも言えるでしょう。

このほか、夏の夜に浮かぶ船や、北窓にちらつく雪の白が、おもちの白・あんこの黒のイメージと合っていたためではないかとも言われています。

春の彼岸に関してよくある質問

春の彼岸の中日はいつ?

春の彼岸の中日は春分の日です。

2023年を例に出すと、春分の日は3月21日(火・祝)。彼岸入りは18日(土)で彼岸明けは24日(金)です。

ぼたもち は こしあんで作るもの?

おはぎは粒あん、ぼたもちはこしあんとイメージされます。これは、小豆の状態により、作るあんが異なっていたためです。

昔は、春の彼岸に用いられる小豆は収穫から日にちが経過し、皮が固くなっているため、この皮を取り除き、こしあんとして加工されていました。一方、秋の小豆は収穫したてのものであり、皮まで軟らかく食べられることから皮をいかして粒あんとして加工されました。

しかし、現代では通年を通して良い状態の小豆が使用できるようになっています。そのために、春と秋といった季節による使い分けはなくなっているようです。

なぜ春の彼岸にぼたもちを供えるの?

古来から、もち米や小豆はお祝い事や特別な儀式には欠かせないものでした。

このため、ご先祖様への感謝と家族の健康を願って、貴重なもち米とうるち米を半つきにしてあんこで包んだぼたもち(おはぎ)を彼岸にお供えしたことがその始まりだと言われています。

この他、赤い小豆には邪気を払う効果があると信じられていたとの説もあります。

▶︎ぼたもちを供える理由について詳しくはこちら

まとめ:春の彼岸とはご先祖さまを偲ぶ彼岸期間のこと

春の彼岸は、春分の日を中日とした前後3日間、合計7日間の彼岸期間のことです。

仏教においては、私たち人間の住む煩悩にあふれた世界を此岸しがん、煩悩が消えた涅槃ねはんの世界(煩悩を解脱した仏様の世界)を彼岸と呼びます。

この此岸と彼岸の距離は「太陽が真東から昇り真西に沈む日とされる春分の日・秋分の日」が最も近くなるとされ、この時にご先祖様が現世に戻ってくると信じられていました。そのため、この日の前後を彼岸期間と言い、五穀豊穣などご先祖様への感謝と供養を行うようになったと考えられています。彼岸は、日本独自の先祖信仰の名残だといえます。

彼岸には、行事食である「ぼたもち」を備え、ご先祖様への感謝や家族の健康などを願う1日とすると良いですね。なお、さまざまな事情からお墓参りが叶わない場合でも、できる範囲で先祖を敬い、日頃の感謝をご報告すると良いでしょう。

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