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棚経とは?読み方・意味は?宗派別の特徴・お布施について紹介

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目次

棚経とは僧侶が檀家を回り読経すること

棚経とは「たなぎょう」と読み、僧侶が一軒一軒檀家の自宅に赴き、先祖への感謝と仏様への祈りを込めて読経することです。

お盆に先祖をお迎えし供養するため、庭先や座敷に精霊棚や盆棚などと呼ばれる棚をしつらえ、その前で僧侶が読経することからその名がついたといわれています。

一般的には、菩提寺の僧侶がこの棚の前で読経を上げますが、菩提寺が遠方にあるなどの理由で、近隣のお寺の僧侶がその役目を担う場合もあります。

初盆の家庭などでは、棚経の後にお斎(おとき)を催すこともあります。

棚経はお盆の時期に行われることが一般的

棚経は、お盆の時期(8月13日〜16日)に行われることが一般的です。しかし、檀家の数が多いお寺の場合は、この期間内に檀家の全てを回りきることが難しいため、お盆前から棚経を始めるケースもあります。

また、初盆の家庭は、棚経は欠かせない行事として位置付けられており、早い時期に棚経の依頼を済ませておくと良いでしょう。なお、お寺によっては、初盆を迎える檀家は菩提寺で「合同法要(施餓鬼法要など)」を行うところもあります。

棚経は隠れキリシタンを摘発するために始まった?

棚経が盛んに行われるようになったのは江戸時代です。この頃の日本は、幕府の方針でキリスト教の信仰はご法度とされていました。しかし、信仰心は制御できず、密かにキリスト教を信仰する「隠れキリシタン」と呼ばれる人々が存在しました。

隠れキリシタンは、礼拝に必要なもの(十字架やマリア像など)を仏壇や位牌の裏に隠すことも多く、幕府はキリシタンである証拠を見つけられずにいました。

そこで、これらを確認するために始まったことが棚経という説もあります。自宅で僧侶が読経を上げながら、隠し物の有無を確認し、隠れキリシタンを摘発しようとしたのです。

宗教の自由が認められている現代では、考えられない理由だといえますね。

棚経のお布施は5千円〜2万円程度

棚経に際してのお布施は、5千円から2万円と相場に幅があります。お布施が必要なのかどうか、また、用意するならいかほどなのかなど悩む場合は、菩提寺に確認すると良いでしょう。

お布施の書き方

お布施は、封筒の表書きに「お布施」、その下に施主または「〇〇家」と渡し主の名前を記入するようにしましょう。さらに、袋の裏側に渡し主の住所・電話番号を明記しておくとより丁寧です。

金額は漢数字を用いましょう。

なお、仏事の表書きには薄墨を使うことが一般的ですが、棚経のお布施は濃墨で問題ありません。

お車料・御膳料も忘れずに

棚経の際、僧侶が自家用車やバイクなどで自分自身で移動する場合はお車料を、また、お斎を辞退されるときは御膳料をお渡しすることがマナーです。

これらが必要な場合は、お布施に合算せず、別々に準備しておきましょう。

目安は

■お車料:5,000円程度

■御膳料:5,000円〜1万円程度

ですが、地域により違いがあるため、不明な場合は菩提寺や地域の年長者などに確認しておきましょう。

宗派によるお盆の違い

宗派によってお盆の捉え方やお供物などに違いがあります。違いの一例は以下の通りです。

宗派によるお盆の一例

宗派棚経の内容
曹洞宗曹洞宗では、お盆に帰ってくる故人全員分の食事を用意することが習わし。また、あの世に持ち帰るお土産として団子を用意する習慣もあります。
お盆の最終日には「精霊流し」といってお供物や飾りなどを船などに乗せ、海や川に流す地域もあります。

※現在は環境問題の視点から、お寺でお焚き上げをしてもらうことが増えています。
浄土真宗「先祖の霊は極楽浄土で往生する」との考え方から、先祖を迎え入れるという考え方はありません。このため、浄土真宗のお盆は先祖への感謝として催されます。
真言宗真言宗のお盆は「水の子(ナスやキュウリなどの野菜)を盆飾りとする」という習慣で、お供物に特徴があるといえます。
また、故人の冥福を願い、現世に残された家族が善行を積む追善供養の一つという捉え方があり、お墓や祭壇を掃除し、お供物を供えることなどを促しています。

棚経でよくある質問

棚経は毎年あるの?

棚経は基本的に毎年行うものです。

また、初盆の時期に棚経の案内文が届くこともあります。その後からは「棚経に伺う時期」を記した案内文が届くケースも珍しくありません。

棚経は断れる?

棚経をお断りすることは、菩提寺との今後のお付き合いなどを考えた場合に好ましいとは言い切れません。

しかし、どうしても外せない用事がある場合など、お断りしなければならない状況もあることでしょう。その場合は、なるべく早めに菩提寺へ伝えることが大切です。

《断りの例文》

やむを得ない事情が入ってしまい、今年の棚経は遠慮させていただきたいと思っております。大変申し訳ございません。

棚経の服装に決まりはある?

棚経は家族のみで受けることが一般的。この場合は、堅苦しくなく落ち着いた装いを基本に、平服で問題ありません。

しかし、あくまでも仏事の場であるため、派手な装いや過度な露出は控えましょう。

また、初盆を迎える檀家を集めた菩提寺で行う合同法要に参列する場合は、略礼服程度を意識すると良いでしょう。

まとめ:棚経とはお盆に僧侶が檀家を回り 読経すること

棚経とは、菩提寺の僧侶がお盆の時期に一軒一軒檀家の自宅に赴き、先祖への感謝と仏様への祈りの念を込めて読経する行事のことです。初盆を迎える檀家に対しては、お寺での合同法要(施餓鬼法要など)を促すお寺もあります。

棚経は毎年行われるものですが、都合などでお断りしなければならないときは、早めに菩提寺にその旨お伝えすることが大切です。

また、棚経に際し、お布施が必要と言われていますが、菩提寺によって違いもあります。お布施が必要なのかどうか、用意するならいかほどか悩む場合は、菩提寺はもちろん、地域の年長者などに相談すると良いでしょう。

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