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忌中札とは?いつまで・どこに貼る?書き方・意味・用意方法を紹介
忌中札とは家族が亡くなったときに玄関先などに貼る紙製の札のこと
忌中札とは、家族が亡くなったときに、家の玄関先などに貼る紙製の札のことです。読み方は「きちゅうふだ」。
忌中札には
・「忌中」と書いただけのもの
・通夜や葬儀告別式の日時なども書かれているもの
などがあります。
忌中=中陰?(49日を迎えるまでの期間)
忌中とは没後49日を迎えるまでの期間のことで、仏教独自の考え方では中陰とも呼ばれています。
この間、故人は七日ごとに十三仏による裁きを7回受け、六道のどの世界に転生するかを決められます。これは輪廻転生または六道輪廻と呼ばれる、仏教独自の考え方です。
なお、残された家族は故人が少しでも良い世界に転生できるよう、7日ごとに法要を営むこともあります。
忌中札を貼る理由:「死=穢れ」と考えられていたため
忌中札を貼る理由は、人の死を穢れ(忌まわしく思われる不浄な状態のこと)と捉えていたことが由来だと言われています。
日本には、かつて死穢観というものがあり、文字通り死を穢れとして捉え、これが伝染し、疫病や不幸の原因となると長く考えられてきました。
このため、遺族には、死の穢れをうつさないために一定の期間家にこもり、周囲との接触を避けることが必要だとされていたのです。
つまり、忌中はこの周囲との接触を避ける期間を指すものであり、忌中札はこの期間内にあることを周囲に伝えるために玄関先に掲げられたことが発祥だと考えられています。
忌中札を貼ることは少なくなってきている
不幸があったと同時に掲げていた忌中札も、現在では減少傾向にあります。近年では、家族が亡くなったことを近所に知らせるための告知版的な役割に変化しました。
さらには次のような理由で忌中札を貼ることが少なくなってきています。
■周囲に不幸を知らせる必要がない
都市部においては「隣に住んでいる人が誰なのか知らない」・「そもそも近所付き合いをしない」という家庭も少なくありません。このような近所付き合いが希薄なところでは、身内の不幸を知らせる必要も薄れてきているといえます。
■知らせるべき相手への連絡方法が多様化している
かつてのような近所付き合いも低下傾向にある昨今ですが、近所を含め訃報を知らせるべき相手への連絡手段は、電話やメール、SNSなどのツールを使ってすぐに知らせることが可能となっています。
あえて忌中札で訃報や通夜、葬儀告別式の日程をお知らせせずとも、知らせるべき相手への連絡方法が多様化していることも忌中札の減少理由だといえるでしょう。
■防犯上の問題
かつては自宅で通夜や葬儀を行うことが当たり前でしたが、昨今は葬儀会場で営むことが一般的となってきています。この場合は、忌中札を掲げた家庭でも、近く通夜や葬儀で自宅を空けることになります。
つまり見方を変えると、忌中札=留守であることを周囲に暗示しているようなもの。空き巣被害に遭うリスクを高めるものともなりかねません。このため、防犯上という面からも忌中札を貼ることが減ってきているといえます。
減少傾向にあるとはいえ、貼り出す文化が根強く残る地域もある
忌中札の掲示は減少傾向にありますが、貼り出す文化が根強く残っている地域もあります。
どのように対応するか不明な場合は、近所や葬儀社、菩提寺などに相談し、地域の習慣に合わせることも大切だといえます。
忌中札の書き方と貼り方
忌中札を貼る場合は、以下の書き方(作り方)や貼り方に注意しましょう。
忌中札の書き方:中央に「忌中」と書き、周囲を黒枠で囲む
忌中札は、主に長方形もしくはひし形の半紙を使い、中央部に「忌中」と手書きし、その周囲を半紙の4辺に沿って太枠で黒く囲むことが基本とされています。また、通夜や葬儀告別式の日時を書き添えているものも見られます。
なお、忌中札のテンプレートをインターネットなどから無料でダウンロードすることも可能です。手軽に準備できるため、利用すると良いでしょう。
忌中札の貼り方:玄関の壁などに直接貼ることが多い
昔は、すだれを裏返した上に忌中札を貼ることが一般的でした。
しかし、最近では玄関の壁や扉、玄関先の門扉などに直接貼ることが増えています。この他、忌中札を黒い額縁に入れて玄関に掲げることや、立札や木札の上に貼るなどの方法もあります。
忌中札によくある質問
まとめ:忌中札とは故人の訃報を周囲に知らせるために使用する紙製の札のこと
忌中札とは、家族が亡くなった場合に家の玄関先などに貼る紙製の札のことです。
これは、日本にかつてあった死穢観(死は穢れとして捉えられ、これが伝染すると考えられていた)に理由があります。このために忌中札を貼り、周囲に家族の死を知らせ、一定期間家にこもることを周知していたのです。
現代では「死=穢れ」といった観念は薄れ、忌中札は、通夜や葬儀の日程などを知らせるための告知版的な役割を持つものに変化しました。さらに、近所付き合いの希薄化、連絡手段の多様化、防犯上の問題などを理由に忌中札を貼る習慣は減ってきているといえます。
一方で、貼り出す文化が今も根強く残っていることもあります。どのように対応するか不明な場合は、近所や葬儀社、菩提寺などに相談し、地域の習慣に合わせることも大切だといえるでしょう。