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【文例付き】直会(なおらい)とは何?意味・語源・神饌・作法・挨拶文・注意点・よくある質問をご紹介!
直会(なおらい)とは神前のお供え物を頂く儀式
直会とは祭事や葬儀など神事を行った後、神前にお供えした神饌(しんせん)を神職や参列者で頂く儀式です。
神様と同じ食事を頂くということで神と人が一体になると考えられてきました。この記事では、そんな直会の語源、神饌、お斎との違い、作法、挨拶文、注意点の他、よくある質問を紹介します。
神人共食を意味する
直会は神人共食を意味します。神人共食とは、神様と同じ物を頂くことで、神と人が一体化するという意味です。
神様にお供えした物を頂くことは、天皇陛下が新嘗祭(にいなめさい)で新穀を神様に捧げて自らも召し上がるという儀式に因んでいると考えられます。こうした行為を「神人共食」と呼びます。祭りの根本的な意義という考え方です。
直会の語源を「なおりあい」とする説
直会の語源を「なおりあい」とする説があります。「なおりあい」は元に戻るという意味です。
なおりあいとは元に戻るという意味
なおりあいは漢字で「直り合い」と書きます。元に戻るという意味なので、非日常から日常を取り戻すと解釈できます。仮に葬儀であれば、死の穢れから日常を取り戻すということです。
また、神職や氏子が神事のために準備をしたり制約を守ったりする斎戒(さいかい)から日常に戻るという意味もあると考えられます。直会によって、特別なことがすべてリセットされたと言っても良いでしょう。
直会で頂く神饌(しんせん)とは
直会では、神様にお供えした神饌(御饌みけとも言う)を頂きます。お供えするのは、食べ物、お神酒、水です。ここでは、その神饌についてどんな物をお供えするか説明します。
野菜や果物
神饌として用意される食べ物は、基本的に餅、海魚、川魚、野鳥、水鳥、海菜、野菜、果物、お菓子、お塩です。因みに神饌は生のまま出す「生饌」、熱を入れる「熟饌」があり、野菜や果物類は生饌にあたります。
野菜も果物もカットせずにそのまま出されます。調理はしません。但し、ネギやニンニクのようにニオイがきつい物は避けます。
海菜として海藻が出されることもあります。昆布、わかめ、のり、ひじき、納豆など。さらに川魚や海魚などをお頭付きを出す場合もあります。尚、かつお節や煮干し、するめなどの乾物も含まれます。
ただし、地域や神社によっても異なります。
お神酒
お神酒(みき)は日本酒です。神饌の一つとして、食べ物と一緒に出されます。
お神酒は、神様の霊が宿ったありがたいお酒として、直会の時に頂きます。そうすることで、ご利益が得られると古代から信じられてきました。清酒、白酒、黒酒、醴酒の4種類があります。
直会と仏教のお斎(とき)の違い
直会と似ているのが仏教のお斎(とき)ですが、意味は異なります。直会は日常を取り戻すという意味ですが、お斎は参列者への感謝の意味が込められています。
ここで詳しく説明します。
意味の違い
意味の違いは宗教上の考え方の違いによります。仏教では読経の後に僧侶や参列者に食事(お斎)をふるまうことで、故人の思い出話をしながら在りし日の姿を偲びたい、僧侶や参列者に感謝を表したいという意味があります。
神道は直会を行うことで、祭事や葬儀といった非日常から日常を取り戻すという考え方があります。特に死は穢れとされているので、神饌を頂くことで穢れを祓うという意味もあります。
直会は日常を取り戻すという意味
直会は日常を取り戻すという意味で開かれる食事の席です。
配膳役がお膳を整え、お酒を注ぐ役目の人が神酒を注ぎます。出席者は神酒を飲んでから、食事を頂きます。その際は楽を奏することもありますが、省略するケースも多いです。
お斎は参列者への感謝
お斎は故人のために読経を挙げてくれた僧侶への感謝、葬儀に足を運んでくれた参列者への感謝として食事をふるまいます。
かつては肉や魚なしの精進料理が主流でしたが、最近はこだわりがなくなったケースが多いです。お店で行う場合も少なくありません。
直会の作法
直会の作法について紹介します。服装や開催している時間、辞退する人に出すお膳料についてです。
直会の予定がある方は参考にしてください。
服装
服装は男女とも、派手な服やカジュアルな服装は避けたいものです。
男性:黒やグレーのスーツ・スーツと同じ色のネクタイ着用
黒い靴
女性:黒やグレー、紺色のスーツやワンピ―ス・派手な物や露出の多いデザインは避けたい ものです。また、夏でもノースリーブは避けましょう。
黒い靴や地味な色のストッキング・裸足はNGです。
時間は1~1時間半
直会の開催時間は、1時間~1時間半くらいが多いです。短すぎず、長すぎずがおすすめです。
葬儀でしたら喪主や遺族、祭りでしたら主催者は参列者に食事をすすめると同時にお酌をして回ることも大事です。
葬儀の場合は故人が生前お世話になったことを感謝したり、なつかしい思い出話をしたりしたいものです。祭事でしたら、相手を労いましょう。
辞退する人にはお膳料を渡す
出典:AMAZON
宗教上の理由など、個人的な理由で直会を辞退する人もいます。その場合は、お膳料として5000円~1万円ほど包みます。市販の郵便番号なしの白封筒か「御膳料」として売っている封筒でOKです。
筆記用具は筆がベストですが、筆ペンで大丈夫です。上半分に「御膳料」下半分に「○○家」と書きましょう。楷書でOKです。
直会の挨拶文例
直会の挨拶を頼まれているけれども、どのようにしたらよいかわからないという方は、少なくないと思われます。
そこで今回はそんな皆様のお困り事に応えます。直会の挨拶事例を2つ用意しました。通夜祭の直会を想定しました。父母の通夜祭における喪主の挨拶、祖父母の場合の挨拶です。
父母の場合
挨拶:喪主Aさん56歳
故人父(母)享年89歳
「本日はお忙しい中、父(母)○○の通夜祭にご臨席頂き、誠にありがとうございました。また、父(母)の存命中は大変お世話になり感謝でいっぱいです。お蔭様で父(母)は幸せな気持ちで最期の時を迎えたと思います。
それでは、神様のお供え物をご一緒に頂きながら、父(母)との思い出話をお聞かせ頂けますでしょうか?どうぞ、お召し上がりください。」
祖父母の場合
挨拶:喪主の子供で遺族代表のBさん25歳
故人祖父(祖母)95歳
「この度は祖父(祖母)のためにお集まり下さりありがとうございます。老人ホームで大勢の職員さんに囲まれて祖父(祖母)は幸せだったと思います。私が訪ねて行くといつも輝くばかりの笑顔でした。
お食事を頂きながら、祖父(祖母)のお話も聞かせて頂ければ幸いです。」
直会の注意点
直会の注意点は火を使った料理を出さないこと、時間厳守であることです。下記で詳しく説明します。
火を使った料理はNG
神道では穢れ=火という考え方があります。そのため、直会のお料理は火を使いません。
しかし、夏場などは火を使った料理がほしいものです。そんな時はお店に注文することもあります。
時間厳守
会館の都合もあるので、直会の時間はきちんと守りたいものです。遺族側としては、計画的に動き、時間通りに終えるようにしたいものです。
特に葬儀の席では、酔って大きな声で話すよりも静かに故人を偲びたいものです。宴会のようなうるさい雰囲気になることは避けため、お酒は1人1杯にとどめておくと安心です。
よくある質問
- 直会の目的を教えて下さい。
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神様のお供え物を頂くことで身を清め、穢れを祓うことです。
- お祭りの後に直会があるのはなぜでしょうか?
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お祭りは神事の一つです。直会を行うことで神と人が一体化されると考えられているからです。
- 地鎮祭の直会の流れは?
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式の開始→お神酒を頂く→施主の挨拶→来賓祝辞→建設会社の人の挨拶→乾杯→お食事
- 直会は宴会ですか?
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お酒があるので、宴会と思う人はいらっしゃるかと思います。しかし、神様のお供え物を頂くという儀式です
まとめ:直会は神事を終えた後に神饌を出席者で頂く儀式
直会は祭事や葬儀などの神事を終えた後に出席者や参列者で神様へのお供え物を頂く儀式です。お酒があるので、宴会と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、宴会ではなく、祭事や葬儀など、非日常を経験した人たちが日常を取り戻すための通過点のような儀式です。マナーに気を付けて神様に感謝しながら、神饌を頂きましょう。