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霊供膳(りょうぐぜん)とは?供えるタイミングや宗派ごとの並べ方について解説

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目次

霊供膳りょうぐぜんとは仏壇に供える御膳のこと

霊供膳は「りょうぐぜん・れいぐぜん」と読み、お仏壇にお供えする御膳のことを意味します。

御霊供膳おりょうぐぜん供養膳くようぜん仏膳椀ぶつぜんわんなどと呼ばれることもあります。

霊供膳を供える理由は、故人やご先祖さまへのおもてなしのため。5つの椀に白飯や料理を盛り、お茶や箸と共に仏壇に供えます。

お供えするタイミングはいつ?

霊供膳をお供えするタイミングは、四十九日、お盆、お彼岸祥月命日(故人が亡くなった月日と同じ月日のこと)などの法事・法要の際などです。

このほか、お仏壇を新調した時に営まれる開眼供養かいげんくようの際にも供えます

下げるタイミングはいつ?

故人やご先祖さまへ食事とはいえ、ずっと供えておくと食べ物が傷み、腐敗してしまいます。そのため、霊供膳は食べ物が悪くならないうちに下げることが基本です。

他にも食事が冷めた時を故人が召し上がり終えたタイミングと捉え、食事が冷めたタイミングで下げる場合もあります。

下げる際には「お下げします」と一声添え、下げた食事は家族でいただきましょう。

食事が傷んでしまった場合は、塩でお清めしたあと、手を合わせてから廃棄するのがマナーです。

霊供膳に相応しい料理は「精進料理」

霊供膳に盛り付ける料理は白飯と一汁三菜が基本です。

椀ごとに盛り付ける料理の内容が決まっています。

各椀に盛り付ける内容

親椀おやわん

親椀には、白飯を盛り付けます。

ご飯はどんな盛り方にする?

盛り方は、自分たちが食べているような盛り付けで問題ありません。また、宗派によってはこんもり小高く盛り付けることもあります。どのような盛り付け方が良いのか分からない場合は、菩提寺や親族の年長者などに相談してみましょう。

ご飯は白飯でないとダメ?

ご飯は白飯が基本ですが、開眼供養のようなおめでたい時は、赤飯でも良いとされています。

お箸は立てる?

仏壇にお供えするご飯にお箸を立てるというイメージもありますが、火葬する前に安置している枕元に添える場合のみ(=枕飯)です。

霊供膳の場合は、お箸を立てることはNG。ご飯の手前におきましょう。

汁椀しるわん

汁椀には、お味噌汁やお吸い物を盛り付けます。

平椀ひらわん

平腕には、野菜を中心とした煮物を盛り付けます。

メニュー例

・がんもどきの煮物

・むすび昆布の煮物

・高野豆腐の煮物

壺椀つぼわん

壺腕には、和え物やおひたし、酢の物など盛り付けます。

メニュー例

・ほうれん草の胡麻和え

・小松菜のおひたし

・きゅうりの酢の物

高杯たかつき

高杯には、香の物(漬物)を盛り付けます。3切れではなく2切れ盛り付けるようにしましょう。(3切れだと身切れとも捉えられ、縁起が悪いため)

また、地域色の強い漬物、例えば奈良漬や京都の千枚漬けなどを盛り付ける場合もあります。

メニュー例

・たくあん

・梅干し

・にんじんのぬか漬け

宗派による霊供膳の決まり

霊供膳は、地域や宗派などにより習慣が異なり、お膳を2つ用意してお供えすることもあります。

用意する数が分からない場合は、菩提寺や親族の年長者、近所の方などに確認しておくとよいでしょう。

宗派により決まりが異なるもの

用意するお膳の数だけでなく、宗派によって平椀、壺椀、高杯の並べ方にも違いがあります。

宗派による霊供膳の決まり一例

宗派霊供膳の決まり
天台宗、日蓮宗、真言宗・膳の左上に平椀、右上に壺椀、中央に高杯を配置する。※日蓮宗では朱色の仏膳を用いる。
臨済宗、曹洞宗、禅宗・膳の左上に平椀、右上に高坏、中央に壺椀を配置する。
浄土宗・膳の左上に壺椀、右上に平腕、中央に高杯を配置する。

なお、浄土真宗では、故人は仏の力ですぐに浄土で仏になると考えられているため、霊供膳は用いません。

宗派が違っても統一されていることも

地域や宗派により習慣が異なるとはいえ、統一されていることもあります。

それは

  • ご先祖様と仏様の両方を供養する場合には、箸を二膳置く。
  • 仏飯器(椀)の蓋は取った状態で供える。

など。

平椀、壺椀、高杯の並べ方は宗派によって異なりますが、親椀と汁椀の配置はどの宗派でも同じです。

親椀は左下、汁椀は右下に並べます。

まとめ:霊供膳とは法事やお盆などで仏壇に供える御膳のこと

霊供膳とは「りょうぐぜん・れいぐぜん」と読み、故人やご先祖さまにお供えする御膳のことです。

四十九日、お盆、お彼岸、祥月命日などの法事・法要の際などにお供えすることが基本であり、それぞれの椀には、一汁三菜の精進料理を盛り付けます。

盛り付け方や各椀の配置は、宗派や地域の習慣により異なる点もあることに注意し、故人やご先祖さまへの思いを込め、手作りの料理をお供えすると良いでしょう。

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