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仏像とは仏様の姿!種類・三大仏像・興福寺の国宝の仏像・人気ランキング・歴史をご紹介

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目次

仏像とは仏様の姿

出典:pixabay

仏像とは元々お釈迦様の像でした。しかし、さまざまな仏様が現れるようになったため、仏様全般の像を作るようになりました。それがやがて仏像と呼ばれるようになったのです。

約25万年前、インドで生まれたお釈迦様は悟りを開き、「悟りを開いた人物」という意味で「ブッダ」と呼ばれるようになりました。

ブッダは漢字で「仏陀」と書きます。それが省略されて仏となり、お釈迦様の像を仏像と呼ぶようになりました。

広義では版画や仏画も含む

広くは仏様の姿を表現した版画や仏画も仏像と呼ぶことがあります。しかし、どちらかというと立体的な彫像を仏像と呼ぶことが多いです。

彫像の材質は様々で特に決まりはありません。一例を以下に挙げます。

  • 金属製
  • 石造
  • 木造
  • 塑像(そぞう):粘土で作った像
  • 乾漆像(かんしつぞう):漆で作った像

こうした仏像を作る彫刻家を仏師と呼びます。

仏像は4種類|見分け方も解説

出典:船橋市

仏像は大きく分けて4種類です。位の上から順に、如来(にょらい)、菩薩(ぼさつ)、明王(みょうおう)、天部(てんぶ)です。

それぞれの特徴や見分け方を解説します。

特徴見分け方
如来真理を悟った者。仏像の中で最高位螺髪(らはつ)と呼ばれるくるくるした頭髪・身につけているのは衲衣(のうえ)一枚
菩薩如来を目指して修行中。困っている人々を救う。中性的な雰囲気、結い上げた髪、きらびやか、立ち姿
明王大日如来の使者・化身とされている。修行者を煩悩から守る、恐ろしい形相。焔髪と言われる逆立った髪型。孔雀明王以外は武器を持っている。
天部民間で信仰されていた神様が仏教に帰依(きえ)したと言われている。武将の姿、鬼の姿、女神などさまざまな姿がある。

如来

如来は真理を悟った者という意味で、仏像の中で最も序列が高いです。釈迦如来のようにお釈迦様の像もあります。

見分け方は、特徴的な螺髪(らはつ)と呼ばれるくるくるした頭髪です。また、装身具は身に付けず、粗末にさえ見える衲衣(のうえ)一枚を身に付けているところです。

そんな如来は主に4種類です。

釈迦如来(しゃかにょらい)人々を苦悩から救い、安らぎに導く仏様です。元々はゴータマ・シッダールタという名の王子でした。
阿弥陀如来(あみだにょらい)極楽浄土へ行かれるように唱える「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)を唱えます。
大日如来(だいにちにょらい)最高の仏様です。太陽の光がどこまでも届くようにという意味です。廬舎那仏(るしゃなぶつ)像である東大寺の大仏は密教において大日如来とされています。
薬師如来(やくしにょらい)薬壺を手にしている心身の健康を司る仏様です。

菩薩

如来を目指して修行しているのが菩薩です。

見分け方は、きらびやかな姿、中性的な雰囲気、結った髪、救いを求める人の元にすぐ駆け付けられるように常に立ち姿であるところです。

主な菩薩は以下です。

  • 聖観音:北仏という阿弥陀の小仏像でスタンダードな観音像
  • 十一面観音:すべての人々をあらゆる方向で救う観音様
  • 馬頭観音:馬頭には諸悪を下す力があるとされている。
  • 千手観音:千の手、千の眼で人々を救う
  • 普賢菩薩:理性や慈悲を司る
  • 文殊菩薩:知性や智慧を司るので受験祈願をする人が多い
  • 弥勤菩薩:如来になることが約束されている
  • 地蔵菩薩:苦難の身代わりになってくれる

明王

大日如来の使者・化身と言われています。因みに大日如来は、密教の世界で最高位の仏様です。また、修行者を煩悩から守る役目を司っているため、悪をこらしめる役目も担っています。

見分け方は武器を持ち、恐ろしい形相であるところです。但し、孔雀明王のみは武器を持たず穏やかな顔です。

また、焔髪(えんぱつ)または炎髪、怒髪と呼ばれる逆立った髪型も明王ならでは。しかし、不動明王のみは、左側に髪を束ねて耳の前で垂らす弁髪という髪型です。

主な明王

  • 不動明王(ふどうみょうおう):五大明王の中心。煩悩を絶ち、人々を仏の世界に導く。
  • 愛染明王(あいぜんみょうおう):獅子の冠をかぶった真紅の体。日輪を背負っていることが多い。
  • 孔雀明王:孔雀の背に乗る明王です。息災や祈雨の本尊として祀られています。

天部

仏法・仏教世界を守ってくれるのが「天部」です。見た目、役割もそれぞれで個性豊かです。

仏教成立以前に民間で信仰された神様です。バラモン教やヒンズー教などの神様が仏教に帰依(きえ)したと言われています。

武将、福の神、女神、鬼の姿など多種多様な神様たちです。

主な天部

  • 四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天):帝釈天に仕えている。
  • 帝釈天:阿修羅を仏教に帰依させたと言われている。
  • 阿修羅:八部衆として釈迦如来に付き添っている。
  • 吉祥天:高貴な福徳の女神。毘沙門天の妻。
  • 毘沙門天:戦い・勝利の神

三大仏像

三大仏像と言われているのは、日本の代表的な仏像です。その中の二つは奈良の大仏、鎌倉の大仏です。しかし、あと一つの仏像は時代によって異なるため、明確に決まっていません。

奈良の大仏

出典:東大寺HP

奈良の大仏の正式名は廬舎那仏(るしゃなぶつ)又は毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)です。意味は人だけでなく、鳥や花、水や雲など、あらゆる形で生を受けているものすべてを救うということです。

大仏尊像の台座周辺には「蓮華蔵世界」という毛彫図が刻まれています。それは華厳経による悟りの世界です。あらゆるものの無限のつながりや広がりが毘盧遮那仏の光明に反映しているという考え方です。

サイズ

像高:14.98m

目長:1.02m

耳長:2.54m

顔長:5.33m

鼻高:0.50m

台座高:3.05m

鎌倉の大仏

出典:鎌倉観光公式ガイド

鎌倉の大仏は「露座(ろざ)の大仏」として知られています。露座とは屋根のないところという意味です。

高徳院の本尊、国宝銅造阿弥陀如来坐蔵と言われるこちらの仏像は、奈良の大仏よりは小さいですが、仏教芸術史では重要な位置を占めています。

「吾妻鏡」によると、建長4年の1252年より造立開始とされています。しかし、不明な部分も多く、原型の作者もわかりません。

また、「太平記」「鎌倉大日記」には、1334年や1369年の大風、1498年の大地震により損壊に至ったという記述が見られます。それ以来、露座となり荒廃も進みましたが、江戸中期、浅草の商人らによって復興しました。以来、多くの人々に見守られています。

サイズ

像高:約11.3m

重量:約121t

あと一つは定まっていない

あと一つは時代とともに変わるので、特に決まっていません。

たとえば、戦後以降ですと以下の大仏が取りざたされました。

  • 富山県高岡市大佛寺の高岡大仏
  • 岐阜県岐阜市正法寺の岐阜大仏
  • 兵庫県神戸市能福寺にある再建済みの兵庫大仏

日本一国宝仏像があるのは奈良県の興福寺

日本一の国宝仏像が設置されているのは、奈良県の興福寺です。どんな仏像があるのか紹介します。

阿修羅像が有名

出典:興福寺HP

興福寺といえば、阿修羅像を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。ファンクラブがあるほどに人気の高い阿修羅像は興福寺にあります。

阿修羅は梵語では「アスラ」です。ペルシャでは命を与える神、インドでは大地を干上がらせる太陽神で、悪として帝釈天と戦ったとされています。

しかし、仏教に帰依してからは、釈迦の守護神になりました。

国宝指定の仏像が多数

興福寺の国宝館に保管されている国宝指定の仏像は以下です。(2023年1月29日現在)

木造千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)

乾漆八部衆立像(はちぶしゅうりゅうぞう)

阿修羅像【八部衆】(あしゅらぞう)

迦楼羅像【八部衆】(かるらぞう)

緊那羅像【八部衆】(きんならぞう)

鳩槃荼像【八部衆】(くばんだぞう)

乾闥婆像【八部衆】(けんだつばぞう)

五部浄像【八部衆】(ごぶじょうぞう)

沙羯羅像【八部衆】(さからぞう)

畢婆迦羅像【八部衆】(ひばからぞう)

乾漆十大弟子立像(じゅうだいでしりゅうぞう)

迦旃延像【十大弟子】(かせんえんぞう)

舎利弗像【十大弟子】(しゃりほつぞう)

須菩提像【十大弟子】(すぼだいぞう)

富楼那像【十大弟子】(ふるなぞう)

目犍連像【十大弟子】(もくけんれんぞう)

羅睺羅像【十大弟子】(らごらぞう)

木造金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)

木造天燈鬼・龍燈鬼立像(てんとうき・りゅうとうきりゅうぞう)

銅造仏頭(旧東金堂本尊)(ぶっとう)

板彫十二神将立像(いたぼりじゅうにしんしょうりゅうぞう)

木造四天王立像(中金堂所在)(してんのうりゅうぞう)

木造文殊菩薩坐像(もんじゅぼさつざぞう)

木造維摩居士坐像(ゆいまこじざぞう)

木造四天王立像(東金堂所在)(してんのうりゅうぞう)

木造十二神将立像(じゅうにしんしょうりゅうぞう)

木造弥勒如来坐像(みろくにょらいざぞう)

木造無著・世親立像(むじゃく・せしんりゅうぞう)

木心乾漆四天王立像(北円堂所在)(してんのうりゅうぞう)

木造不空羂索観音菩薩坐像(ふくうけんさくかんのんぼさつざぞう)

木造法相六祖坐像(ほっそうろくそざぞう)

木造四天王立像(南円堂所在)(してんのうりゅうぞう)

好きな仏像ランキング

令和元年、仏具の製造・卸業を行う株式会社鵬盛商事(本社:東京都板橋区)で行われた【仏像に関する意識調査】によって好きな仏像のランキングが発表されています。(対象は全国の男女1,000名です。)

結果は以下です。

1位:弥勒菩薩(みろくぼさつ)34.3%

2位:不動明王(ふどうみょうおう)29.7%

3位:毘沙門天((びしゃもんてん)28%

出典:プレスリリース

1位:弥勒菩薩

出典:プレスリリース

お釈迦様の後継者である弥勒菩薩は人々を救う方法を考えていると言います。写真のように右足を左足に乗せ物思いにふけるポーズが多く見られます。

この姿は半跏思惟像(はんかしゆいぞう)と呼ばれており、オーギュスト・ロダン作のブロンズ像「考える人」にも似ています。

優し気な姿が多くの人の支持を得ているのでしょう。

2位:不動明王

出典:成田山 萬福院

怒りを露にしているような姿の不動明王も人気のある仏像です。たくましく強そうな姿に心を奪われる方も多いと思われます。

智慧と慈悲を象徴した仏様なので、怖い雰囲気でありながらも、心優しく人々を見守っています。

見開いた右目は見据えるのは真実のみという意味です。少し閉じた左目は左道と言われる誤った教えを表します。目を閉じることで間違った教えを見ないようにしているという意味です。

上下になっている牙は、上が悟り、下が人々への導きを意味します。

3位:毘沙門天

出典:プレスリリース

戦いや勝利の神として知られている毘沙門天が上位に入っているのは、その勇敢な姿が多くの人に好まれているからでしょう。特に30代から支持を集めているのは、会社などで中堅どころとして戦いに入っている世代の心境からかもしれません。

多聞天とも呼ばれ、帝釈天を守る四天王の中の一人です。主に北の方角を守る神となっています。

また、金運、商売繁盛、合格祈願、健康長寿、厄除けといったご利益もあります。

通販サイトで購入者の多い仏像2選

仏像を購入して手元に置いておきたいと思う方も多いものです。ここでは、通販サイトで購入者の多い仏像を2選紹介します。

経典を読めない人にとっては、仏像が手元にあることで心が安らぐものです。

本柘植 八角台座 西立弥陀 西型光背 

高級素材の本柘植(ほんつげ)を使って仏師が彫り上げた仏像「西立阿弥陀如来像」です。浄土真宗本願寺派のご本尊様としてお祀りできます。

サイズは3.0寸~5.0寸あり、お好みの物をお求め頂けます。

西立阿弥陀如来像

三開仏シリーズ

木のケースを開けると真ん中に釈迦如来、両脇に地蔵菩薩と観音菩薩の姿が見えます。細部まで丁寧に作られています。

高さ10cmのコンパクトサイズなので、手元に置いておくのに助かります。仏像がそばにあるだけで心の安らぎを感じるものです。

三開仏シリーズ

仏像の歴史

ここからは仏像の歴史を解説します。

6世紀半ばに作られ、飛鳥時代には如来、奈良時代には天部像が作られました。そして、鎌倉時代になると、多くの仏像が作られましたが、それが最後となったのです。

6世紀半ばに送られた

「日本書記」によると、日本での仏教文化の始まりは6世紀半ばです。朝鮮の「百済」(くだら)の聖明王から、欽明天皇に送られたと言われています。この時一緒に送られたのは、仏典、仏具でした。

仏教が伝わった理由は、百済・高句麗・新羅という朝鮮半島の国々による度重なる戦いがあったからです。368年、高句麗の激しい攻撃に耐えかねた百済が日本に同盟を求めました。こうしたことから、百済との付き合いが始まり、仏教が伝わったと考えられます。

因みに、この時百済から送られた物の一つに現在国宝に指定されている七支刀(しちとう)があります。

飛鳥時代に如来が作られた

飛鳥時代になり、「釈迦如来」「阿弥陀如来」「薬師如来」といった如来が作られました。

飛鳥時代の主な仏像です。

  • 飛鳥大仏:面長の輪郭やアーモンド型の目がこの時代の特徴です。
  • 菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう):古代ギリシャ彫刻にも見られるような優美な微笑みが特徴です。
  • 薬師三尊像:飛鳥大仏よりも写実的なシルエットです。

奈良時代には天部像・平安時代は明王が作られた

奈良時代になると、仏教を守る守護神の天部像が作られるようになりました。古代インドから伝わった神様たちがモチーフです。代表的な仏像は「四天王」「八部衆」「十二神将」です。

平安時代には「不動明王」「孔雀明王」等の明王像が作られるようになりました。インドのヒンドゥー教の教えが影響されていたと思われます。

鎌倉時代には多くの仏像が作られた

鎌倉時代には多くの仏像が作られています。大仏師である運慶や快慶が現れたことが大きいと思われます。写実的でパワーにあふれる東大寺の金剛力士像、円成寺の大日如来などが有名です。

やがて、仏像崇拝から人間崇拝に変わったことで、仏像彫刻が鎌倉時代で終わったと言われています。

よくある質問

実家の仏像はどんなお寺で引き取ってもらえるでしょうか?

ご実家の菩提寺があれば、魂抜きをして引き取ってもらえるはずです。相談してみてください。

古い仏像を処分するにはどうしたらよいでしょうか?

菩提寺で引き取ってもらい、魂抜きの供養と新しい仏像の開眼供養をしてもらいます。菩提寺が特にない場合は、お塩、御神酒を備えて魂が出て行くようにお経をあげます。そして、12月にお近くの神社仏閣でお焚きあげをしてください。

ご自身でお焚きあげをする場合、お塩や御神酒で浄めた場所で行います。

日本で一番大きな仏像は?

ギネスブックで認定されているのは、茨城県の牛久大仏です。全高120mで奈良の大仏を手のひらにのせることができます。

一番小さな仏像は?

米粒ほどの仏像がありますが、もっと小さいものもあります。国宝の仏像ですと、仁和寺の薬師如来像で11.8mです。

仏像の台座とは?

仏像が座っている部分のことです。物によっては台座の下にまた台座があることも。

仏像の光背は?

光背は仏像の後ろにある衝立のような部分です。後光を表現するもので、一般的に多く使用されています。

まとめ:仏像は仏様の姿・種類もあり好みも人それぞれ

仏像は仏様の姿です。日本には6世紀の半ば、百済から伝わりました。以来、鎌倉時代まであらゆる仏像がつくられ、現在でも多く残されています。

仏像には如来、菩薩、明王、天部と種類があり、それぞれの立場から人々を救う役割があります。優しい顔立ち、いかめしい顔立ちなど個性豊かですが、人々を正しい場所へ導くために特有の力を発揮しています。

人それぞれ仏像への好みや考え方があります。しかし、手を合わせたり、そばに置いたりすることで、仏様への崇拝の気持ちを表せることは共通です。

静かに祈ることで心の安らぎを得られるのではないでしょうか。

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