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    看取りケアで穏やかな最期を迎えるためにできることとは?死期が近づいたときに体調がどう変化していくかを解説

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    看取りケアとは穏やかな最期を迎えるためのケア

    加齢によって食事が段々と細くなっていき、体力が落ちていくのはご存じの通りで、死期が近づけばさらにさまざまな体調の変化が表れます。今回は「看取りケア」として、その体調の変化と自然で穏やかな最期となる介護について解説します。

    死に向かう体調の変化*1

    加齢によって細胞分裂が止まり、老化した細胞が増えると、次第に臓器の機能や筋肉量が低下して体中に不調が起こります。例えば呼吸状態や消化機能が低下しますが、それは肺の呼吸に関係する筋肉が衰えることや、食道や胃、大腸では蠕動(ぜんどう)運動が弱くなって、小腸では消化液の分泌が悪くなることが報告されています。脳も次第に萎縮して機能が低下。ここでは死期が近づいたときの体調の変化を、詳しくみていきましょう。

    8か月前:BMIの緩やかな減少*₂

    高齢になると、食事を同じようにとっていてもBMIが減少していくようです。報告によると亡くなる5年前頃からBMIがゆっくりと減少し始め、2年前頃からはその減少が急激に。さらに8か月前頃からは、食事量が大きく減少する傾向にあります。

    3か月前:塞ぎ込みがちで水分の摂取が減る*₂,₃

    外で起こっていることに興味がなくなってしまうためか、外出を嫌がるようになります。またよく眠るようになって、はっきりとした夢をみることが増えるそうです。2か月前になると、摂取していた水分量までも大きく減少。

    1か月前:体調が不安定で幻覚をみる*₃

    血圧や呼吸数、体温などが不安定になり始め、このため冷や汗をかくことや手足の先が冷たく色が悪くなることがみられます。脳も酸素不足となるからか、幻覚をみるようになると言われ、食欲はさらに落ちるそうです。

    2~1週間前:水分をとらない*₄,₅

    いよいよ水分をとらなくなるのですが、それは水分をとっても体が処理できなくなるからだそうです。水分をとらなくなって1週間ほどで最期を迎えることが多いとされ、一時的に痰が増えて呼吸が辛そうになることが多く、しかし本人はあまり辛いと感じてはいないと言われています。

    看取りケアとは尊厳ある生活のためのケア*₆

    看取りケアとは、死期が近づいた患者の状態をみながら食事や排泄などのケアをすることです。家族や介護者は、患者の苦痛をやわらげることを第一に考えるので、無理に食事や水分をとらせることは避けたほうがよいとされています。ここではターミナルケアとの違いや臨床医の主張をみていきましょう。

    ターミナルケアとは病院でのケアのこと

    病院で取り組む終末期のケアを、ターミナルケアといいます。病院では栄養や水分補給のために点滴をし、酸素マスクをつけます。そのほうが患者にとって「苦痛がない」とされているからです。実際、栄養はともかく水分は補給したほうがいいのではないかと主張する医師がいます。終末期の脱水症状は本人にとって相当辛いのではないかと。つまり、脱水症状で唇や舌はひび割れ、頭痛を起こすというのです。

    臨床医は栄養や水分の点滴は不要と主張

    前述した「死に向かう体調の変化」は、自然な状態のままの場合について解説したものです。

    とはいえ書いてあるとおりに誰もが皆、体調が変化していくわけではありません。また、呼吸が苦しそうになるなど容態が急変すれば、家族としては不安で病院に連れて行きたくなるでしょう。ところが訪問医や介護施設の医師によると、栄養や水分の点滴は終末期の患者にとってはかえって辛いものになるそうです。体が必要としていないため、むくんで痰は増え、痰が増えれば、無理やり痰を吸引することに。その状態は「溺れるような状態」とまで表現され、また酸素マスクをつけることも、かえって本人は苦しくなるのではないかと言われています。

    看取りケアは想像以上に難しいこともある

    1週間程前から水分をとらなくなることが多いされていますが、欲しがる場合もあります。そのときは濡らしたガーゼで口を濡らすということも1つのケアです。しかし、周囲にいる家族や介護者にとって、1つ1つのことを的確に判断するのは簡単なことではありません。ここでは医師が父親を自宅で看取った体験をご紹介します。

    食事をとらなくなった状態から回復して1年以上生きたケース

    久坂部羊医師は、著書『人間の死に方』で父親の最期を語っています。それによると父親は骨折して食欲がなくなり、父親本人も医師なので「死期が近づいた」ことを自覚したそうです。久坂部医師は父親の望みどおり栄養補給をしないで状態を見守っていましたが、父親は次第に食欲が回復し延命したと言います。

    家族の負担と本人の苦痛、それでも死に顔は穏やか

    結局、久坂部医師の父親は骨折して死期を自覚してから1年以上生きました。その間の家族の介護はやはり相当に大変なものだったようです。父親と家族は自宅で最期を迎えることを希望し、当然そのことをよく知っていた久坂部医師ですが、死の間際必要があれば病院へ連れて行こうと思ったそうです。死の直前の呼吸状態については「多少は苦しかったようだ」、息を引き取った後の父親の表情は「穏やかで、微笑んでいるようだった」と著しています。

    まとめ

    以前は家で看取っていましたが、近年は核家族が一般的なため、家で看取ることが減っています。厚労省の「看取り 参考資料(平成29.3.22)」によると在宅で最後までの療養を希望する一般国民は6割を占めますが、一方で最後まで自宅での療養は困難と考えているのも6割でした。とはいえ、近年は自宅や施設で最期を迎える人が増えつつあります。女優の樹木希林さんはテレビで、体があちこち痛くなり調子が悪くなることで、自分もいずれは死ぬことを理解するようになった、と話していました。最期をどう迎えるか、自身だけでなく家族や介護者にも覚悟が必要です。

    *1健康長寿ネット「消火器の老化」ー公益財団法人長寿科学振興財団

    https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/taberu-nouryoku.html

    *2ニュートン2020年7月号

    *3現役看護師の僧侶が語る、死の予兆が現れ始める「死の3か月前」頃から起こる3つのこと

    https://honsuki.jp/pickup/13694.html

    *4現役看護師の僧侶が語る、死の予兆が現れ始める「死の1か月前」頃から起こる3つのこと

    https://honsuki.jp/pickup/13815.html

    *5ゆうの森「最新看取り事情」

    http://www.tampopo-clinic.com/zaitaku/mitori03.html

    *6【専門家が回答】老人ホームの終末期 看取りとターミナルケアの違いは?

    https://kaigo.homes.co.jp/qa_article/48/

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