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    アポトーシスとネクローシスの違いとは?そもそもアポトーシスとネクローシスって何?

    目次

    細胞死とは肉体の死につながること

    垢がボロボロ出るときやケガをしたとき、その場所の細胞は死んでいます。「細胞の死」というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、細胞死は私たちの体の中で毎秒起こっていることです。具体的に細胞死にはアポトーシスとネクローシスの2パターンがあります。

    今回はアポトーシスとネクローシスについて、さらに細胞死と肉体の死がどう関連しているのか、人の死の仕組みがゾウリムシから始まっていたことを解説します。

    アポトーシスとネクローシス

    一般的にアポトーシスとネクローシスによって、細胞は死んで新しくできた細胞と入れ替わっていきます。

    ここではアポトーシスとネクローシスについて、またその二つとは異なるアポビオーシスという言葉についても解説します。

    アポトーシス:細胞の入れ替わること

    アポトーシスとは、皮膚などのようにどんどん生まれ変わる細胞での死のこと。それは細胞が傷ついたときや胎児の体ができるときなどに起こります。

    例えば「垢(あか)」。古くなった皮膚が剥がれ落ちる垢の仕組みはアポトーシスによるものです。

    アポトーシスは「生命を保つための細胞死」と言われますが、アポトーシスが繰り返され続けて細胞分裂の限界に達すると、老化して「肉体の死」につながるそうです。

    細胞が傷ついたとき

    アポトーシスが起こるのは、紫外線や活性酸素などで細胞が傷ついたとき。傷ついた細胞が増えると細胞は癌細胞に変わるなどのリスクが高くなります。このリスクを避けるためにアポトーシスによって傷ついた細胞が消えていくわけで、体は正常でいられるようです。

    胎児の体ができるとき

    他にも人の受精卵が胎児となって段々成長していくときに、アポトーシスが起こります。胎児になる初期段階で手は指と指の間がつながっていますが、アポトーシスによって次第に5本の指に分かれていきます。

    アポビオーシス:脳や心臓の細胞が役目を終えること

    脳や心臓の細胞は長く働く細胞であり、その細胞は死ぬと機能を果たさなくなります。

    つまり脳や心臓では新しく細胞はつくられません。これはアポトーシスではなかなか説明できないため、脳や心臓の細胞死はアポビオーシスと言われるようになってきました。

    アポビオーシスとは寿命が尽きるという意味。脳や心臓の細胞が死んでいくと、それは「肉体の死」につながるからです。

    ネクローシス:細胞が外的要因で破壊されること

    火傷や打撲などケガをしたときに起こり、強い刺激を受けた細胞は生命活動を終えます。

    つまり打撲などの刺激を受けた細胞は膨張して細胞膜が破れ、中身が出て細胞死となる。これがネクローシスです。

    絶滅を避けるために「肉体の死」がある

    細胞死があることは「肉体の死」がプログラムされているということだそうです。もしこのプログラムがなかったら、種が絶滅する可能性があると。

    つまり、生きていると紫外線やストレスなどでDNAはどうしても傷つき、それは遺伝子に異常として蓄積されていきます。人が死なないでいれば、この異常な遺伝子は蓄積され続けていくということです。そうなれば人の生命は誕生できなくなり、やがて絶滅するのではないかとされています。

    どうやら蓄積された遺伝子をリセットするために「死」があるようです。

    死の仕組みはゾウリムシから始まった?

    人の命はたとえ肉体が死んでも、生殖細胞によって引き継がれていきます。実はこの仕組みは、ゾウリムシの増え方と似ているそうです。ここではそんなゾウリムシの増え方をみていきましょう。

    ゾウリムシは無性生殖で増える

    基本的にゾウリムシは無性生殖(細胞分裂)で増え、無性生殖は500回~600回行われると限界に達してしまいます。そうなればゾウリムシは死滅してしまうため、種の存続はできません。限界に達する前にリセットしなければならないということになります。

    ゾウリムシは有性生殖でリセットされる

    2個体のゾウリムシが合わさって、有性生殖をすることでリセットできるそうです。言い換えると他のゾウリムシから小核の遺伝子を半分混ぜ合わせることで、リセットできます。そして大核は断片化してなくなり、混ぜ合わさった小核の一部が大核に。

    ゾウリムシの大核がなくなって小核が引き継がれていくことと、人の肉体がなくなって生殖細胞が引き継がれていくことが似ているとされています。それでゾウリムシから死の仕組みが始まったというわけです。

    まとめ

    人の体は37兆個の細胞でできていると言われています。肉体が生きるために1つ1つの細胞が死んで新しい細胞と入れ替わる。それでも限界に達すればやがては肉体の死へとつながっていきます。

    人は肉体が滅んで生殖細胞が引き継がれるとされ、この「肉体の死」のプログラムは、実はゾウリムシから始まっているのではないかと言われています。人が誕生したのは、およそ500万年前。

    もし人の死がゾウリムシはから始まっているのなら、ゾウリムシが誕生していた何億年も前から、人の誕生のためのプログラムがあったことになります。人が生まれてある期間が経てば迎える「死」。ゾウリムシと違って人は知性と心があります。人が生きる意味は、命をつなげるほかにどんな意味があるのでしょうか?

    *ヒトはどうして死ぬのか~死の遺伝子からみた未来~東京理科大学薬学部教授  田沼 靖一https://chisan.or.jp/shinpukuji/center/workshop/forum/

    *生物における時間の意義を考えるーゾウリムシと動物の生殖

    https://sites.google.com/site/lifetimearrow/zourimushito-dong-wuno-sheng-zhi

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