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合同葬の費用は誰が支払う?合同葬の流れやメリットとデメリットについても解説

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目次

合同葬とは遺族と会社が合同で行う葬儀

合同葬とは、故人が属していた会社と遺族とが共同で行う葬儀のことです。

会社の創設者や役員、功績があった人などが亡くなった場合や、仕事中に亡くなった場合などに合同葬が行われることがあります。

この記事では、合同葬と社葬や一般葬との違いや、合同葬の費用や流れ、メリットやデメリットなどを解説していきます。

合同葬と社葬やお別れ会との違い

合同葬は密葬と本葬を同時に行うので、故人の臨終から1週間以内に開催するのが一般的です。

遺族が喪主を、会社が施主を立て、共同で葬儀を開催します。

遺族と会社が合同で行うので、親族だけでなく仕事の関係者も参列するため、規模は大きくなりますが、故人を見送れる点では一般葬と流れは同じです。

会社のトップが亡くなった場合だけでなく、社員が殉職した場合や災害に巻き込まれた場合なども、合同葬を行うことがあります。

一方、社葬やお別れ会は遺族が密葬を行い、故人を荼毘に付した後に、後日を日を改めて行うもので、多くは故人の逝去から1か月以上経過してから開催されます。

社葬を行うのはあくまでも会社で、仕事の関係者向けという点が合同葬とは違うところです。

社葬を行うのは、一般的には会社の創業者や代表者などが亡くなった場合で、対外的に後継者を紹介するという目的もあります。

合同葬と一般葬の違いは

合同葬は言ってみれば、一般葬と社葬を合わせたような葬儀の形式です。

一般葬との大きな違いは、会社が関わる葬儀か個人で行う葬儀かということです。

会社が関係するため、さまざまな違いがあります。

喪主と施主を立てる

一般葬では遺族の代表である喪主を立てますが、合同葬は喪主だけでなく、施主も立てるのが一般的です。

施主とは葬儀費用を支払う代表者のことで、合同葬では会社が主体となって費用を支払うことから、会社が施主となるのが一般的です。

また、葬儀の規模や方法、進行などを決めたり、取りまとめたりする役割として、葬儀委員長を立てるのも合同葬の特徴です。

ビジネス関係の弔問客が多数参列する合同葬では、会社から葬儀委員長を選出するのが一般的です。

葬儀委員長は遺族との調整のほか、取引先への対応も必要になるので、事務部門の役職につく人が任されることが多いようです。

参列者の範囲が広い

一般葬では故人や喪主と親族関係にある人や個人的に付き合いのある親しい人が参列するのが一般的です。

一方、合同葬は故人とビジネス関係にあった人や会社、あるいは故人と直接は面識がなくても故人が属していた会社との付き合いで参列する人もいます。

そのため、参列者の範囲が広く、人数も500人以上の大規模葬儀になることが多いことも違いの一つです。

合同葬の費用

合同葬は参列者が多く規模も大きいため、一般葬に比べると費用は高額になります。

支払いは、費用の種類によって遺族と会社で分担するのが一般的です。

合同葬の費用相場は500万円以上

合同葬の費用相場は500万~2000万円とも言われており、参列者の人数が多くなるほど費用は高くなります。

参列者が500人以下の中小規模の合同葬では400万円以上、500人以上の大規模合同葬では600万円以上、1000名を超える規模になると1000万~2000万円くらいになることもあります。

一般的な葬儀と比べるとかなり高額ですが、社葬と比べると割安になる可能性もあります。

というのも、合同葬を行うのは寺院や斎場など葬祭専用の施設であるのに対して、社葬はホテルでも開催できるため、会場の選定によっては使用料が高くなることがあるからです。

合同葬の費用は誰が負担する?

合同葬では費用を遺族と会社が分担して支払うのが一般的です。

両者でそれぞれの負担分を相談して決めますが、費用の特徴によって分けるのが一般的です。

会社は経費に計上できる費用を負担する

会社が負担するのは、経費に計上できるもの、すなわち領収書が発行される費用と考えて良いでしょう。

  • 葬儀会場の使用料
  • 祭壇や会場の装飾にかかる費用
  • 案内状の印刷および発送にかかる費用
  • 車両費

これらは、社会通念上も会社が負担するのが相当とされる費用です。

遺族は宗教的な費用を負担する

遺族が負担するのは、宗教的に必要な費用のほか、火葬や納骨に関係する費用などです。

  • お布施
  • 戒名料
  • 火葬代
  • 骨壺や後飾り棚

これらは一般葬でも遺族が負担する費用で、合同葬だからといって費用が高額になるという種類のものではなく、遺族負担が適当だとされています。

食事代は参列者の関係性によって遺族負担か会社負担かを決める

参列者への食事として通夜振る舞いや精進落としの席を設ける時は、参列者の関係性によって遺族と会社のどちらが負担するかを決めることが多いようです。

例えば、通夜にはビジネス関係の参列者が多数訪れるので、通夜振る舞いの食事代が高額になる可能性があります。その場合は会社が負担する方が相応しいと言えるでしょう。

一方、火葬後に行う精進落としは故人や遺族と縁の深い人が残り、遺族が感謝の気持ちで食事を用意することが多いので、こちらは遺族が負担するのが自然です。

合同葬の特徴

合同葬には一般葬と社葬を分けて行うのに比べて、メリットとデメリットがあります。

それぞれの特徴について紹介していきます。

合同葬のメリット

合同葬のメリットは、以下の3つです。

  • 遺族の費用負担を軽減できる
  • 参列者が故人と対面してお別れができる
  • 一度で葬儀が済む

遺族の費用負担を軽減できる

合同葬では葬儀開催にかかる費用を会社が負担するケースが多いので、遺族の費用負担が軽減できます。

さらに、会社が葬儀委員長を立てて葬儀の取りまとめも行うので、葬儀の進行を任せられるという意味でも、遺族の負担は軽くなります。

また、会社にとっては葬儀費用を経費計上できるので、税制面での負担を軽くできるのもメリットと言えるでしょう。

参列者が故人と対面してお別れができる

合同葬では、参列者が故人と最後の対面ができます。

生前、故人にお世話になった人や親しくしていた人は、故人の顔を見てお別れをしたいという想いもあると思いますが、遺族が密葬をする場合は、一般の弔問客は参列できません。

その点、合同葬は広く参列者を受け入れているので、誰でも弔問できるのがメリットです。

一度で葬儀が済む

密葬と社葬を分けて開催した場合、遺族も会社も立場は違えど、それぞれの式への対応が求められます。

しかし、合同葬なら一度に葬儀が済むので遺族も会社も手間や時間、費用などの負担を軽減できる可能性があります。

例えば、故人が会社の代表者で顔が広かった場合に、遺族が一般葬を行うと、最後のお別れをしたい人が大勢詰めかけ遺族が対応に追われることになるでしょう。逆に、密葬をしたとしても、葬儀後に自宅に弔問客が訪れる可能性があり、いずれにしても遺族の負担は大きくなります。

会社としても合同葬を行うことで、対外的な連絡や対応を一度に済ませられるのはメリットと言えるでしょう。

合同葬のデメリット

合同葬のデメリットは、以下の2つです。

  • 遺族がゆっくりお別れができない
  • 葬儀の準備期間が短い

遺族がゆっくりお別れができない

これは遺族側のデメリットですが、合同葬は故人の臨終後すぐに行われるので、故人との別れを惜しむ時間をゆっくり取ることができません。

故人が亡くなった後は会社と合同葬の相談をする必要があり、当日も弔問客の対応に追われて、故人と家族だけの時間を作ることが難しい可能性があります。

葬儀の準備期間が短い

こちらは会社側のデメリットと言える要素で、故人の逝去の知らせを受けたらすぐに準備をしなければならず、葬儀の準備はかなり忙しくなることが予想されます。

社葬の場合は、故人を荼毘に付した後に日程や会場などを決め、招待客に案内をするので、内容を吟味する時間が作れますが、合同葬の場合は臨終から遅くとも1週間以内には開催する必要があるため、準備時間が短くなります。

合同葬の流れ 

合同葬は逝去後にさまざまな対応が必要になるので、事前に社内規定で合同葬の基本方針の検討や葬儀社の選定などを行っておくことが大切です。

合同葬を行う場合の、喪主決定や費用分担について規定を定め、社内連絡網などを整備しておくとスムーズに対応できます。

逝去直後の対応

遺族から会社に逝去の連絡を受けたら、まずは担当者が遺族のもとに駆けつけます。

遺族に合同葬実施の同意を確認し、葬儀社に連絡すると同時に、社内連絡網で各部署に連絡をします。

遺族は遺体の安置などの対応に追われるので、できるだけ会社がサポートし遺族の負担を軽くすることが求められます。

事前準備の流れ

会社は緊急の役員会議を開催し、以下のような合同葬の基本方針を決め、議事録を作成します。

  • 式場・日時
  • 予算
  • 葬儀費用の分担
  • 喪主
  • 葬儀委員長
  • 内容や形式(宗教形式、無宗教形式)
  • 香典・供花・供物の取り扱い

基本方針が決まったら、社内に通達し、問い合わせがあった時の対応方法についても周知します。

また、社外向けには案内状を発送し、新聞掲載の手配も行います。

費用の分担については会社と遺族が相談して決め、役員会で承認する流れとなります。

一方の遺族は、合同葬の内容を確認したら、親戚縁者に連絡します。

また、使ってほしい遺影の写真があれば、その旨も会社に伝えます。

通夜の流れ

通夜が始まる前に、故人の遺体が霊柩車で運ばれてくるので、棺を安置するために葬儀会社が祭壇の準備を済ませます。

その後の流れを時間ごとに区切って解説します。

通夜2時間前

通夜の進行について会社と遺族で確認をするので、両者は2時間くらい前に式場に到着する必要があります。

具体的には以下の内容を確認します。

  • 通夜全体の流れ
  • 席次と礼拝順
  • 供花の名札の序列
  • 弔電を読む順番
  • 葬儀実行委員長、喪主、弔辞などの進行と位置

通夜1時間前

弔問客の受付と入場を開始します。

弔問客は会社関係者と遺族関係者に分かれるので、席次も分けるのが基本です。

誘導パネルを設置したり、係員を配置したりして、参列者が混乱しないように配慮します。

通夜30分前

導師(僧侶)到着。

導師が到着したら、喪主が出迎え、控室に案内します。

通夜開始

通夜の流れは、一般的な葬儀と同じです。

  1. 開式の辞
  2. 葬儀委員長式辞
  3. 導師入場・読経
  4. 葬儀委員長焼香
  5. 喪主焼香
  6. 遺族・親族焼香
  7. 来賓・参列者焼香
  8. 導師退場
  9. 閉式の辞
  10. 通夜ぶるまい

葬儀・告別式の流れ

葬儀当日の流れについても、時系列で解説します。

葬儀2時間前

葬儀について確認をするので、会社の担当者と遺族は2時間くらい前に式場に集合します。

内容は通夜の際と同様ですが、参列者が異なるので改めて確認し、必要があればリハーサルも行います。

  • 通夜全体の流れ
  • 席次と礼拝順
  • 供花の名札の序列
  • 弔電を読む順番
  • 葬儀実行委員長、喪主、弔辞などの進行と位置

葬儀1時間前

弔問客の受付と入場を開始します。

通夜の時と同様に参列者が混乱しないよう、会社側と遺族側の弔問客に分けて案内をします。

葬儀30分前

導師(僧侶)到着。

僧侶が到着したら、喪主が出迎え、控室に案内します。

合同葬では複数の僧侶を依頼するのが一般的ですが、お布施はまとめてお渡しします。

僧侶の中でもっとも位の高い導師に代表でお布施を渡しましょう。

葬儀開始

  1. 開式の辞
  2. 導師入場・読経(引導)
  3. 弔電紹介
  4. 葬儀委員長謝辞
  5. 葬儀委員長焼香
  6. 喪主焼香
  7. 遺族・親族焼香
  8. 来賓・参列者焼香
  9. 導師退場
  10. 一般参列者は式場外で待機
  11. 出棺の儀(近親者のみ)
  12. 喪主・葬儀委員長挨拶
  13. 閉式の辞

火葬

火葬場へ同行するのは、遺族や親族など近親者のみです。

火葬場に到着したら読経をし、遺体を火葬炉へ移します。

火葬時間は1~2時間で、その間は控室で待機しますが、この間に精進落としの席を設けることもあります。

火葬後に係員の指示に従って収骨し、遺族は骨壺と遺影、位牌を自宅に持ち帰ります。

自宅に後飾り棚を設置し、骨壺を安置します。この際、還骨法要を行うのが一般的です。

合同葬が終了してからの対応

合同葬の終了後は弔問客や来賓客の記録を作成したり、必要があれば挨拶に訪れたりする必要があります。

挨拶は事前に連絡をして、葬儀から1週間以内に出向くのがマナーです。

  • 参列者への御礼の挨拶周り
  • 名簿の作成(会葬者別に分けて記録)
  • 社葬記録の作成(費用、供花などの記録)
  • 弔辞・弔電の整理
  • 会葬御礼新聞の手配
  • 会計報告書の作成

合同葬での香典の扱い

合同葬では香典の扱いについても、事前に会社と遺族とで相談しておくことが大切です。

ここでは合同葬での一般的な香典の扱い方について解説します。

香典は遺族が受け取るのが原則

香典は遺族が受け取るのが一般的です。

香典の性質上、遺族の支援という意味もあるので、遺族に渡すのが自然だからです。

また、会社が受け取った場合は、収入として計上しなければならないということも、会社が香典を受け取らない理由の一つです。

返礼品の手配について

返礼品は香典を受け取った遺族が手配するのが通常です。

しかし、合同葬のように参列者が数百人を超える場合に、遺族が全ての参列者から香典を受け取りお返しをするというのも現実的ではありません。

そのため香典辞退として、仕事関係の参列者からの香典は受け取らない場合もあります。

その場合は、親族や近親者からの香典は遺族が受け取り、香典返しも遺族が手配するというのが一般的です。

合同葬に参列する時のマナー

ここからは、合同葬に参列す時に気を付けるべきマナーについて解説します。

特に会社を代表して参列する場合は、葬儀での振る舞いが会社の評価にも繋がるので、相応しい態度で臨むことが大切です。

ビジネス関係者が多数集まることが予想されますが、ビジネス関係の会話はご法度です。あくまでも葬儀であることを忘れず、会話や態度は慎みましょう。

服装は喪服を着用する

男性も女性も一般的な喪服を着用します。

男性は黒のスーツ、ネクタイ、靴下、靴で、ネクタイピンなどの装飾品は付けないのがマナーです。

女性も黒のワンピースやセットアップに黒のストッキングとパンプスを履き、アクセサリーはつけません。立っている時間が長くなることもあるので、ヒールが低めで歩きやすいものが良いでしょう。

香典の費用相場

合同葬の案内に香典辞退の記載がない場合は、香典は持参するのがマナーです。

会社関係の弔問客と遺族側の弔問客とでは香典の額が異なるので、それぞれの立場に合わせて香典の金額を決めると良いでしょう。

会社関係の弔問客の香典

合同葬を開くということは、故人がその会社の社長や役員など地位の高い人である可能性があるので、会社として参列する場合は故人の地位に合わせて社長や役員クラスの人物が参列します。

その場合の香典は、5~20万円くらいを包むことが多いようです。

不祝儀袋には会社名と代表者名を記載しましょう。

また、何人かで参列する場合は代表者の名前に連名で参列者の名前を記載します。

もちろん個別に渡すことも可能ですが、お返しの対応などが煩雑になるので、まとめて渡すことをおすすめします。

遺族関係の弔問客の香典

遺族側の弔問客として参列する場合は、一般的な葬儀と同額の香典を持参しましょう。

故人との関係香典額備考
5~10万円喪主や葬儀費用を負担する場合は除く
祖父母1~3万円親に扶養されている場合は除く
兄弟姉妹3~5万円親に扶養されている場合は除く
配偶者の親5~10万円
配偶者の祖父母1~3万円
配偶者の兄弟姉妹3~5万円
叔父・叔母1~2万円
いとこ5千~1万円
友人3千~1万円
友人の家族3千~1万円
ご近所3千~5千円

参列できない場合は弔電を送る

葬儀にどうしても参列できない場合は、弔電を送るのがマナーです。

通夜または葬儀の前に会場に届くように手配しましょう。

その際、宛先は喪主もしくは葬儀委員長にします。取引先などで故人の家族関係に詳しくない場合は、葬儀委員長宛てに送りましょう。

喪主宛てに送るよう指定されたものの、喪主の氏名が分からない場合は、故人の氏名にご遺族様と記載して大丈夫です。

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まとめ

合同葬は会社と遺族が共同で行う葬儀で、会社に功績があった人物が亡くなった時に行われることがあります。

一般的な葬儀と比べて規模が大きく参列者の範囲も広いため、会場の設営や式の運営には細心の注意を払う必要があります。特に会社のトップが亡くなった場合は、合同葬の運営が会社の印象を左右することもあるので、会社と遺族が連携して不備なく執り行うことが重要です。

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