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脇侍とは?意味・読み方は?本尊の横に祀られる?宗派別の脇侍について紹介
脇侍とは中尊(本尊)の左右に控える仏様のこと
脇侍とは、仏像や仏画において中尊(中央に位置し、信仰の中心となる仏様)の左右に控える仏様のことです。脇侍の多くは2尊で、明王、天部、菩薩などが該当します。
読み方は「わきじ」または「きょうじ」で、脇士、夾侍と書くこともあります。
脇侍は本尊をサポートする存在
脇侍の役割は、中尊(本尊)に付き添い、中尊の教化をサポートすることにあります。そのため、本尊と両脇侍を祀ることで、仏教の教えにより深く触れることが叶うと考えられています。
脇侍の英語訳は「attendant」
脇侍は中尊と共に祀られる存在であるため、英語で訳すと「attendant」表現されます。
例文:脇侍は文殊菩薩・普賢菩薩が多い。
The two attendants are often Monju Bosatsu and Fugen Bosatsu.
代表的な中尊と脇侍の組み合わせ
中尊と両脇侍が祀られている姿を三尊形式と呼びます。その組み合わせの多くは決まっていますが、必ずしも固定化されているというものではありません。
また、坐像・立像の組み合わせでは、中尊を坐像、脇侍を立像とするものが一般的な形式です。
三尊形式の代表的な組み合わせは以下の通りです。
左脇侍:中尊に向かって左側の脇侍
右脇侍:中尊に向かって右側の脇侍
釈迦三尊
釈迦三尊の多くの組み合わせは「釈迦如来(中尊)・普賢菩薩(左脇侍)・文殊菩薩(右脇侍)」です。
他には、薬王菩薩と薬上菩薩(興福寺中金堂など)、阿難陀と大迦葉(禅宗系寺院)を脇侍とする場合も見られます。
阿弥陀三尊
阿弥陀三尊は「阿弥陀如来(中尊)・勢至菩薩(左脇侍)・観音菩薩(右脇侍)」です。
薬師三尊
薬師三尊の組み合わせの多くは「薬師如来(中尊)・月光菩薩(左脇侍)・日光菩薩(右脇侍)」です。また、薬師如来の眷属(神の使者のこと)として、十二神将(薬師如来を守護する12尊の仏様)が守護しているケースも見られます。
宗派別に祀られている脇侍の一例
三尊形式は、各宗派で中尊として祀る仏様が異なるため、脇侍にも違いが見られます。また、同じ宗派でも中尊として祀る仏様が異なる場合があり、この場合は脇侍も異なります。
宗派ごとの中尊と脇侍の組み合わせ(一例)は以下の通りです。
宗派 | 左脇侍 | 中尊(本尊) | 右脇侍 |
---|---|---|---|
天台宗 | 伝教大師 | 阿弥陀如来 | 天台大師 |
真言宗 | 不動明王 | 大日如来 | 弘法大師 |
浄土宗 | 法然上人 | 阿弥陀如来 | 善導大師 |
浄土真宗本願寺派 | 蓮如上人 | 阿弥陀如来 | 親鸞上人 |
浄土真宗大谷派 | 九字名号 | 阿弥陀如来 | 十字名号 |
曹洞宗 | 道元禅師 | 釈迦如来 | 瑩山禅師 |
臨済宗 | 普賢菩薩 | 釈迦如来 | 文殊菩薩 |
日蓮宗 | 大黒天 | 大曼荼羅 | 鬼子母神 |
まとめ:脇侍とは中尊に寄り添い、サポートする存在
脇侍とは、中尊(本尊)の悟りや教えをサポートする存在の仏様のことです。明王や天部、菩薩などが該当するケースが多く、仏像や仏画では本尊の左右に配置されます。
また、宗派によって中尊とする仏様に違いがあるため、脇侍にも違いが見られます。さらに、組み合わせは固定化されているものではないため、同じ宗派であっても脇侍が違うケースもあります。
どの組み合わせであっても、中尊のサポート役という存在に変わりはありません。三尊像を拝観するときは、手を合わせ思いを馳せると良いでしょう。